日本の製造業には「世界で通用する品質の高さ」という共通点があります。しかし、現代では製品の差別化が難しくなっており、技術力や品質の高さが必ずしも売上に結びつくわけではありません。
このように競争が激化する製造業界でビジネスを成長させるには、営業力の強化が欠かせません。
そこでこの記事では、製造業におすすめのSFA(営業支援ツール)を厳選してご紹介します。
1.製造業がSFA(営業支援)導入を検討するべき理由
品質の高い技術を誇る日本の製造業がSFAを検討すべき理由にはどのようなことがあるのでしょうか?
この項目では、SFAの導入によって製造業が得られるメリットについて解説します。
営業管理の不十分さが業績に影響が出る
SFAを活用して営業管理と顧客情報の管理を一元化していると、営業プロセスを可視化でき、ボトルネックとなっている箇所を見つけやすいです。蓄積した顧客情報を分析すると、例えば、購入履歴からは成約に至った取引先の傾向やニーズを把握できます。こうした分析データを元に、製品の開発や改善ができるため、業績アップにつながります。
一方、営業管理や顧客情報の管理が不十分の場合、営業活動から本来得ているはずの情報を最大限に活かせず、的確な営業戦略の立案が難しく、業績に影響が出る可能性があります。
SFAによって営業の進捗や顧客情報を集約し一元管理できれば多角的な分析が可能になり、バンズ系データから発見した内容を次の営業戦略に活かせます。
営業管理の属人化
営業の仕事は、営業担当者の経験やコツ、勘やモチベーションによって売上が左右されがちです。この状態を「営業の属人化」と呼びます。属人化してしまうのには、次のような理由が挙げられます。
・自身の立場や営業成績を守りたい
・自分の仕事で手一杯である
・属人化を防止する仕組みがない
自身が積み上げてきた営業のノウハウを共有すると、ライバルである同僚が成果を上げ、自分が優位に立てなくなると危惧し、知識やノウハウを自分だけのものにしておきたいという営業担当者は少なくありません。
顧客への対応、提案書や見積もりの作成など、コア業務以外の作業に追われ、自分の仕事で手一杯で忙しすぎて情報共有ができない、という現実もあるでしょう。また、社内に営業の標準化する仕組みがない、組織自体が属人化することをよしとしている場合、属人化した状態から脱するのは難しいといえるでしょう。
営業活動における知識と経験を共有することは、属人化を防ぐだけでなく、社内全体の業績アップにも貢献します。SFAによって営業活動の流れを共有すれば、トップセールスのノウハウを共有しながら営業の標準化を進められるため、営業部門全体の営業力の底上げにつながります。
営業情報が蓄積されず、改善がしづらい
上記のように営業の属人化が進むと、営業活動における情報が蓄積されず、業務や営業プロセスの改善が進みにくいです。営業活動において、営業担当者それぞれの経験・スキルに頼ってしまうことは案外多く、製造業も例外ではありません。
属人的な営業活動は、トップセールスと呼ばれる優秀な営業担当者に負荷がかかるばかりか、トップセールスの異動や退職がきっかけで営業部門全体のパフォーマンスが低下するリスクもあります。
SFAツールを導入すれば、営業活動に関連するすべての情報を集約して一元管理できるうえ、蓄積したナレッジを有効活用できます。たとえば、成約にいたるまでのナレッジが蓄積・共有できれば、新人や経験が浅い人も参考にできます。
営業活動の勝ちパターンを発見することもできるでしょう。SFAへのさまざまな担当者による営業情報の蓄積によって、営業部門全体のパフォーマンス底上げが期待できます。
2.製造業がSFA(営業支援)を導入する3つのメリット
①情報の共有管理
製造業がSFAを導入すると、次の3つの情報の共有管理ができます。
・顧客情報
・営業管理に役立つ情報
・スケジュールや営業内容に関する情報
顧客との商談内容や案件の進捗を含めた顧客情報を一元管理できます。更新すると、リアルタイムで反映されるため、マネージャーは、今現在の営業の進捗を把握できます。これにより、営業担当者に向けて適切なタイミングで最適なアドバイスが可能になります。
営業管理に役立つ情報とは、営業に関する知識やスキルに関する情報です。こうしたナレッジを営業部門全体で共有することで、営業活動の属人化を防げます。また、タスク管理やメール連携といった機能も備わっているため情報を可視化しやすく、業務報告に費やす時間を短縮できます。
スケジュール管理や営業内容などの情報の共有によって、営業部門全体のスキルの底上げにもつながります。その結果、会社の業績の長期的な向上にも非常に有効です。
②営業情報の分析・改善
SFAの導入によって、蓄積した営業情報の分析と改善が実現します。蓄積したデータの分析によって、業務管理上の無駄の発見や業務効率化に役立つ情報を見いだすことができます。
SFAツールでは、社員1人1人の稼働状況を1つの画面上で確認できます。管理者は、従業員に対し適切な評価を行いやすいというメリットがあります。さらに、SFA上で蓄積されたデータと現時点の状況を比較することで、今まさに必要なアドバイスを行うことができます。
SFAでは、仕事のスケジュール管理や商談内容などをリスト形式で確認できます。会社の業績アップに役立つ情報の収集を効率的に行えるため、経営戦略の改善、業務効率の向上など、さまざまなメリットが見込めます。
③営業事務作業の効率化
SFAを導入していない企業では、営業に関する情報をExcelやスプレッドシートで管理していることがあります。Excelは複数人での同時編集が不可能です。また、Excelもスプレッドシートも、入力項目の不足やミス、表記揺れなどが発生しやすいです。
SFAは、複数人が同時に閲覧したり編集したりできるため、営業に関する事務作業の効率化が可能です。入力項目の不足や入力ミスなどを防ぐため、複数人での確認フローを確立しやすいというメリットもあります。
クラウド型のSFAなら、スマートフォンやタブレットなどを使って、移動中や営業現場から業務報告や商談内容、日報の入力ができます。会社に戻る時間や交通費を省けるため、従業員と会社双方が、コスト低減や生産性の向上などのメリットを感じられるはずです。
3.【製造業向け】おすすめSFAツール8選
製造業がSFAを導入すると、多くのメリットがあります。そこでこの項目では、おすすめのSFAツールを8つ、厳選して紹介します。導入を検討する際の参考にしてみてください。
①pipedrive
pipedriveは、Merが提供するエストニア発のSFA/CRMツールです。見込み顧客(リード)や案件の管理、顧客とのやりとりの追跡、タスクの自動化、分析とレポート機能など、営業活動を支援するための機能を数多く搭載しています。
商談プロセスをカンバン方式で管理するため、商談の進み具合や商談結果を可視化でき、データを整理して管理しやすいです。直感的なUIのため直感的に操作できるため、更新も容易です。自社の営業活動に合わせて自由にカスタマイズできるため、受注から納品までの流れを管理しやすいです。
②Senses
Sensesは、SaaS型のSFA/CRMツールです。現場の営業成果の最大化をコンセプトにしており、営業活動の効率化を支援するさまざまな機能を搭載しています。
グループウェアとの連携による入力負荷の軽減、AIを活用した営業リスク分析、チームメンバーへのサジェスト機能など、組織全体の営業力強化に役立ちます。
日々の活動は行動履歴としてSensesに集約され、管理画面はカード形式のため、進捗状況を直感的に把握しやすいです。データベースから、企業概要やプレスリリース、財務情報などの取引先情報を自動取得できるため、BtoB取引が中心の製造業にも最適なツールです。
③eセールスマネージャーRemix Cloud
eセールスマネージャーは、日本の営業を知り尽くした日本の会社が開発した純国産のCRM/SFAツールです。これまで5,000社以上が導入しており、製造業の多くの企業でも採用されています。
eセールスマネージャーはシングルインプット・マルチアウトプットを採用しており、1度の入力がさまざまな場面に活用されます。名刺OCRも活用し、案件や商談の入力を省力化できているため、データの蓄積や活用がスムーズです。顧客管理画面では、顧客に関するすべての情報と営業活動の履歴を俯瞰できます。
④Sales Force Assistant
Sales Force Assistantは、「業務改善ノウハウをシステム化した営業支援・情報共有ツール」をコンセプトに、営業マンをアシストするAI秘書機能を搭載しているSFAツールです。業種や営業スタイルに合わせて6シリーズを展開しており、SaaS・オンプレミスから選べます。
戦略デイリーモニタリングを採用しており、顧客・商談・案件・クレーム・訪問計画はもちろん、情報の共有やマネージャーのアドバイス・指示などをその日の画面の中で閲覧および管理できます。製造業の導入実績も豊富です。
⑤WaWaFrontier
WaWaFrontierは、導入が容易なクラウド型の SFAです。顧客管理、案件管理、商談管理、日報管理を網羅しています。営業担当者個人が抱え込みがちな情報をシステムで共有化し、属人化しがちな営業を組織営業へと転換をはかります。営業担当者の負担を最小限にし、企業の業績アップに貢献します。
機能も設定もシンプルですが、初期費用0円で、ライトバンは1ユーザーあたり1,000円、通常版は1ユーザーあたり2,000円と料金体系もわかりやすいため、手軽に導入できるのが魅力です。
⑥ジョブマネ
ジョブマネは、グループウェア、SFA、CRM、ERPを連携・一体化させたオールインワン型の業務管理システムです。BtoB営業を展開する中小・ベンチャー企業に向けて開発されているため、製造業の営業支援ツールとして活用しやすいです。
あらゆる社内情報を集約して一元管理でき、ビジネスを効率化する機能を網羅しているため、現場と営業担当者のコミュニケーションを円滑にしたい製造業の企業に最適なSFAツールです。
Lite版のほかフル機能の通常版が用意されており、初期費用0円なうえ即日導入が可能です。SFA機能の搭載されているのは通常版で、案件管理、見積管理、請求書発行、経費精算、入金登録、レポーティングが可能です。営業の属人化を避け、営業力強化を実現できます。
⑦kintone
kintoneは、業務改善プラットフォームです。作成した業務システム「アプリ」とkintoneプラットフォームを組み合わせて、業務に最適なアプリケーションを構築できます。
kintoneにはさまざまな業務に対応したサンプルアプリが100以上用意されており、カスタマイズして使うことができます。アプリは新規作成も可能です。
製造業向けにSFA機能と在庫管理機能を組み合わせたり、グループウェア機能で情報を共有したりもできます。プラグインやAPIによる外部システムとの連携によって、機能を拡張できるのも魅力的です。
⑧ちきゅう
CRM・SFAツールであるちきゅうは、データをあらゆる部署で活用できる仕組みを採用し、ツールの社内での定着と企業業績の向上を目指します。実際、使いやすいインターフェースを採用しており入力作業の負荷を軽減しているため、定着しやすいSFAだと言えるでしょう。
メールやチャットなどと簡単に連携できるため、営業担当者は使い慣れたツールを活用できます。また、MAツール「MAJIN」と連携し、営業プロセスのすべてを管理することもできます。
4.製造業向けSFAの選び方のポイント
この項目では、製造業向けのSFAツールを選択する際に確認すべき2つのポイントについて解説します。
分かりやすくて使いやすい
SFAを選ぶ際に優先すべきは、現場の営業担当者にとって分かりやすく、使いやすいSFAツールを選ぶことです。SFAツールの中には機能が多すぎて、使い方がわかりにくい製品があります。自社のビジネスと合わなくて使いにくい場合もあります。
そのようなSFAは使い勝手が悪く、営業担当者が使わなくなる可能性があります。機能の豊富さ以上に使いやすさを重視して選びます。
また、SFAの導入を検討しているとき、管理者の視点で選ぶと現場の営業担当者には使いにくい可能性があります。管理者と営業担当者の業務内容が異なるために起こるミスマッチです。製品を検討する際には現場の声に耳を傾け、実際に試してもらうなどしてから決めることをおすすめします。
サポート面の充実
SFAを検討する際には、導入後、どのようなサポートを受けられるのか確認します。サポートの具体的な内容はもちろん、範囲を明確にすることも重要です。
SFAを初めて導入する場合、機能が多くて使い方がわからない、使いたい機能がある階層がわからない、ということは少なくありません。購入後に自社で設定をする必要がある場合や、運用していく中でシステムのトラブルが発生すれば、なおさらです。
ベンダーのサポートがあれば、購入後の「困った!」に対応してくれますので、導入前にサポートの有無とその内容についてしっかり確認しておきましょう。
多機能さとカスタマイズ
製造業の営業業務には、在庫確認や納期回答、配送処理とその伝達など、多くの確認事項があります。見積もり作成や請求処理も重要な業務です。製造業が導入するSFAには、こうした業務の多くを網羅する多機能さが求められます。
SFAの機能は、営業活動の情報の蓄積と営業プロセスの可視化が中心です。機能がシンプルなSFAの場合、自社の営業活動に必要な機能をカスタマイズできると、利便性が上がります。
コストが見合うなら最初から多機能なSFAを選ぶのもいいですが、営業活動の効率化を目指すなら、カスタマイズ性が高いSFAを選ぶといいでしょう。
5.製造業こそ自社の営業活動にマッチするSFAを導入すべき
SFAは、顧客情報や営業活動で得た情報を管理・蓄積して営業部門で共有することで、営業の属人化を防ぎ、仕事を効率化するのに役立ちます。製造業においては、SFAを開けば営業の進捗状況や顧客情報を確認できるうえ、リアルタイムで更新できるため、利便性が高いです。
とはいえ、製造業は、商材や製品によって、営業活動のプロセスが大きく異なることも少なくありません。一般的なSFAを、自社のビジネスモデルに合わせてカスタマイズできるとより利便性が高まり、営業活動の効率化がよりスムーズにいくでしょう。
Merが提供するpipedriveは、エストニア発のSFA/CRMツールです。リードや案件の管理、顧客とのやりとりの追跡、タスクの自動化、分析とレポート機能など、営業活動と顧客管理を支援するための機能を数多く搭載しています。
営業活動のプロセスをパイプラインで管理するため、今のステータスが直感的にわかりやすいです。設定方法が簡単なうえ、自動化による業務効率化が可能なため、資料作成コストの削減につながります。製品カタログやセールスドキュメントの管理も可能です。
pipedriveには4つのプランがあります。どのプランも初期費用0円、年間払いの場合、月額1,500〜6,000円/1ユーザーで利用できます。14日間のフリートライアル期間を設けており、使いやすさを確認してから導入できます。