営業支援の目的と成果を高めるための効率的な導入のポイントを解説

2022年6月27日

営業支援とは、営業担当者が顧客アプローチや商談などのコア業務に集中して取り組むことができるよう、環境を整えることです。営業支援を行うことで、売上アップなど、さまざまなメリットがあります。

この記事では、効果的に営業支援を行う方法と、営業支援に役立つITツールを紹介します。

導入時のポイントも解説しているので、営業支援の導入をスムーズに進められるはずです。

1.営業支援とは

営業支援とは、営業活動を効率化するために実施する支援活動のことを指します。営業支援によって、営業部門の課題の解決に取り組み、営業のコア業務に割く時間を増やすことです。

営業のコア業務には、次のようなものがあります。

・顧客へのアプローチ

・顧客が抱える課題のヒアリング

・案件化を目指した解決策の提案

・新規顧客の開拓

・既存顧客へのルートセールス

・既存顧客へのアップセル・クロスセル

営業活動における本来のゴールである顧客獲得や売上の向上です。そのためには、営業担当者が上記のようなコア業務に割く時間を増やす必要があります。営業支援を行うことで、営業活動の効率化を図ることができます。

2.営業支援の必要性

営業支援とは、営業スタッフの業務効率化をサポートすることです。この項目では、営業支援の必要性や目的、得られる効果について解説します。

営業のリソース拡大

営業支援によってコア業務に割く時間を拡大し売り上げの向上を目指すのが、営業支援の目的の1つです。

営業活動の中には、営業日報の記載や見積書の作成など、コア業務以外の業務にも多くの時間を割かなければなりません。売上に直結しないノンコア業務に多くの時間をかけていると、顧客獲得の機会ロスを招くリスクがあります。

こうしたリスクを避けるため、営業担当者のリソースを拡大することは非常に重要です。そのために営業支援を実行します。


営業の効率化

営業支援にはもう1つ、営業の効率化という目的があります。顧客情報を適切に管理しアプローチする顧客を絞れば、無駄な訪問がなくなり、案件の成約率の向上にもつながります。さらに、営業担当者以外のスタッフにもできることは営業担当者にさせないというように体制を変えていくことで、営業活動に付随する事務処理などの作業を軽減できます。

営業支援をスムーズにするITツールに、SFAがあります。SFAの導入によって情報共有がスムーズにできるようになれば、会議を簡素化したり、会議の回数を減らしたりすることも可能です。外出が多い営業担当者が営業日報を移動中に入力できれば、入寮作業にかかる時間を減らし商談のための時間を増やせます。

営業の効率化が進むと直行直帰がしやすい環境が整います。残業時間が減るため、人件費の削減と従業員満足度(ES)の向上にもつながります。

営業支援によって多くの無駄の排除が進むことで、営業の効率化が図れます。

3.営業支援を行うメリット・デメリット

営業業務効率化など、営業支援にはメリットがいくつもありますが、デメリットもあります。この項目では、それぞれについて解説します。

メリット

営業支援を行うメリットは、営業効率化のほかに2つあります。

  • 売上の向上
  • 営業担当者の負担の軽減

営業支援によって営業担当者がコア業務に費やす時間が増えると、売上がアップしやすくなります。また、営業支援によって課題を発見できれば、業務改善にもつながります。また、営業担当者の多くが、事務作業や会議、日報作成などのノンコア業務に追われています。

営業支援によって、営業担当者にかかっているノンコア業務への負担を軽減できます。


デメリット

デメリットには、次の2つが挙げられます。

  • ITツールの導入が必要
  • 初期費用やランニングコストなどコストがかかる
  • 社内における運用体制の整備

営業支援をスムーズに行うには、営業支援ツール(SFA)の導入が欠かせません。SFAの導入時には、初期費用のほか、月額費用などのランニングコストが発生します。高機能なSFAは便利な反面、コストが高くなることもあります。フル活用できなければ、無駄な出費になりかねません。

導入時には、自社の営業の課題を洗い出し、期待できるメリットと照らし合わせたうえで、コスト面での負担を考慮すべきです。

営業支援ツール(SFA)の導入後、十分に活用するには、社内での運用体制の整備が必須です。実際に活用する営業担当者の声に耳を傾け、既存の業務フローを見直し、運用の仕組みを作っておきましょう。適切な運用ができないと、導入後の活用が難しく、形骸化してしまうおそれがあります。サポートが充実したサービスを選ぶとフォローを得やすく、社内に定着しやすいです。

4.営業支援の導入する流れ

営業支援の導入は、どのような流れで進めていけばいいのでしょうか?この項目では、営業支援の導入の流れと、各フェーズで注意すべきことについて解説します。

営業プロセスの整理・可視化

営業支援を導入する前にまず、自社の営業プロセスを整理して明確にします。可視化できると尚よいです。営業プロセスを整理するには、営業プロセスを分解し、次にコア業務とノンコア業務に分けるという順に行います。

営業プロセスを分解すると、営業担当者が担う業務をコア業務とノンコア業務に分けることができます。

コア業務の流れは、アポイント、初回の訪問、提案、商談、クロージング、受注というのが一般的です。自社の営業プロセスを分解し可視化できると、業務の無駄や非効率がどこに潜んでいるか、ボトルネックになっている業務はどれか、分析しやすくなります。

例えば、アポイントの獲得件数が少ない、時間がかかるなど、アポイントでつまずいているなら、顧客リストの低調・定性分析に問題があるかもしれません。顧客リストのなかに自社製品のターゲットとなるターゲットが少なければ、リストの拡充について考えたほうがいいかもしれません。また、フィールドセールスの努力によって売上の向上が難しいなら、インサイドセールスの導入を検討する余地があります。

このように、営業プロセスの整理と可視化によって、自社にとって必要な課題が明確化し、改善点が見えてきます。

営業活動の課題特定

プロセスの可視化によって、コア業務の妨げとなっている業務や課題を特定したら、どのプロセスを改善すると売上の向上に効果的なのか、精査していきます。営業担当者がコア業務に集中し、より高いパフォーマンスを発揮できるような施策を検討します。

営業支援につながるITツールの選定

自社の営業スタイルにマッチした、ITツールを選定します。多機能なものを求めるのも手ですが、機能が多いほどコストも比例し高額になることが多いです。自社にとって本当に必要な機能を見極め、極力シンプルなシステムを選ぶという方法もあります。その際、現場で活躍する営業部門の従業員の声に耳を傾け、彼らにとって使いやすいシステムを選ぶことをおすすめします。

ITツールは、営業担当者が多くの情報を入力し情報が蓄積されて初めて効果を発揮します。操作が複雑だったり、UI/UXが複雑だったりするツールを選ぶと、営業担当者の業務負担が増えるだけでなく、情報の蓄積が進まず、せっかく導入したITツールが形骸化してしまう可能性があります。

また、ITツールを導入すると、データの入力そのものが目的となってしまうことがあります。分析や結果の出力が容易にできるSFAツールを選ぶのもポイントです。

営業支援ツールの導入・運用

営業支援ツールによる情報収集は、営業支援のきっかけに過ぎません。顧客との商談内容やステータスなどの入力を続けて、今後の営業活動に活かすことが重要です。そのために、顧客データの分析を行います。

営業支援ツールに蓄積されたデータには、売上の向上に役立つヒントが数多くあります。営業担当者が入力したデータの分析と分析結果を共有し、見つけたヒントや課題を改善につなげて営業活動に生かすというサイクルを作ることができれば、効率よく成果を上げていけるはずです。

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5.営業支援で効率的に成果を高めるITツール3選

営業支援に役立つITツールにはいくつか種類があります。この項目では、営業支援の成果を効率的に高められるITツールを3種類、ピックアップして紹介します。

MA

MA(マーケティングオートメーション)ツールとは、マーケティングのさまざまなプロセスを自動化できるツールのことです。

MAツールでは、リード・ジェネレーションと呼ばれる見込み客(リード)の創出、リードナーチャリングと呼ばれる顧客育成、リードクオリフィケーションと呼ばれる顧客の分類と管理を行います。MAツールの特徴は、以前はそれぞれ個別に管理していたマーケティングのプロセスを、一元管理できることです。

MAツールには、アクセス解析、Web行動解析、マーケティングシナリオ作成、キャンペーン管理などの機能があります。リードのこれまでの行動や反応を分析し、購買傾向や商品への認識などのセグメントごとに適切なメールの自動配信もできます。

SFA

営業支援システム(SFA)は、営業プロセスの可視化と効率化をサポートする仕組みやツールを指します。SFAとは「Sales Force Automation」の略で、受注数や売上のほか、営業プロセスや案件の進捗、商談の内容などを可視化して管理・共有し、営業活動の効率化と高精度化を図ります。

営業担当者は、売上目標や利益目標の達成を目指して仕事に取り組んでいます。営業活動を支援するシステムであるSFAは、営業活動の効率とパフォーマンスを高め、売上と利益の最大化を目的としており、営業担当者がコア業務に集中するための機能を持っています。

SFAには、顧客管理、案件管理、営業行動管理、スケジュール管理などの機能があります。営業日報や見積書の作成など、営業担当者の事務作業を容易にする機能があるSFAもあります。

また、SFAの導入は、マネジメント層にとってもメリットがあります。SFAによって営業活動が可視化され、営業戦略の立案・改善がしやすくなります。

CRM

顧客管理システム(CRM)とは、顧客のリピート化やロイヤルカスタマー化を目指して顧客との関係を管理するツールです。CRMはCustomer Relationship Managementの略で「顧客関係管理」と直訳できます。

CRMを利用する目的は、売上や利益を伸ばすことです。CRMでは、顧客情報や購入履歴、対応履歴、問合せ内容などのデータを管理します。これらの情報を分析し、顧客それぞれの特性やニーズに合わせたきめ細かな対応やサービスの提供につなげていきます。

企業に対する満足度や信頼度が高い顧客ほど、継続的な購入や利用をしてくれ、アップセルやクロスセルにも期待できます。

これらのツールは、組み合わせて活用するのがおすすめです。MAツールによってリードへのアクションを最適化し、SFAで営業活動の効率化を図ったうえで、CRMによって顧客との関係の管理を図るという流れが理想的です。

ちなみに、Merが提供するpipedriveのように、SFAとCRMの機能を併せ持ち、両者の明確な区分がないツールもあります。

6.営業支援ツールを導入する際のポイント

上記のような営業支援ツールを導入するにあたり、初期費用やランニングコスト、学習コストなどがかかります。せっかくなら、効果的かつスムーズな導入を目指したいものです。そこでこの項目では、営業支援ツールを導入する際のポイントを紹介します。

サポートの充実

営業支援ツールを導入する際には、導入時や導入後のサポート内容が充実しているか、確認します。社内に営業支援ツールを定着させるためには、使いこなせるかどうかが重要です。営業支援ツールを導入したものの、使いこなせず、社内に定着しなかったという失敗例があります。サポートと連携し、サポートを受けながら、使いやすい仕組みを作っていくことが重要です。そのため、サポート体制や内容について、しっかり確認すべきです。

外部サービスとの連携

営業支援ツールにはさまざまな機能があり有能ですが、自社にとって必要な機能をカバーしきれない部分があることは否めません。また、既に導入済みのシステムやツールがある場合、それらと連携できるとスムーズです。

新たに導入する営業支援ツールが、経理・会計サービスや名刺管理ツール、契約管理ツールなど、さまざまなツールと連携できれば、あらゆるデータを一元管理でき、営業支援ツールと外部サービスの連携により、営業活動の効率をよりよくすることにつながります。

営業フローでのデータ管理がしやすい

営業支援ツールによって、アポイントから商談、受注までの営業フローが見える化できるため、案件や商談の進捗をリアルタイムで把握できるようになります。営業フローが可視化されることによって、管理職は、各フェーズに応じた的確な指示を出せるようになります。

また、営業担当者ごとの売上のほか、部署別、顧客別、商材別など、さまざまな切り口での売上を確認しやすくなり、予算と実績を比較しながら進捗管理できます。売上予測も立てやすくなります。

7.営業支援の導入のポイントを押さえて営業の効率化と売上向上を目指そう

これからの企業活動において、営業支援の導入は必須になりつつあります。競合他社に水をあけられないよう、自社の営業活動のボトルネックを発見して改善を繰り返し、売上向上を目指していきましょう。

営業支援のメリットを享受するためにも、この記事で紹介したように、ポイントを押さえて導入をすべきです。自社に導入すべき営業支援について、現場の意見をよく聞き、マッチしたものを選びましょう。ITツールの中には、一定期間、無料でお試しできるものもあるので、実際に使い比べてみるのもおすすめです。

Merが提供するpipedriveは、エストニア発のCRM/SFAツールです。14日間のフリートライアル期間を設けており、使いやすさを確認してから導入できます。

pipedriveは、世界中の95,000社が導入し、高い評価を得ています。リードや案件の管理、顧客とのやりとりの追跡、タスクの自動化、分析とレポート機能など、営業活動を支援するための機能を数多く搭載しています。

商談の進み具合や商談結果を可視化でき、データを整理して管理しやすいため、失注の削減につながります。モバイルアプリもあり、タスクのチェックや案件確認、更新などの必要な操作をどこにいても行えます。また、メールやカレンダーなど、今使っているグループウェアと双方向同期できるため、入力の負担を軽減できます。

カスタマイズ性が高く、zoomやSlack、G suiteをはじめとした150種類以上のアプリと連携でき、自社の用途に合わせたカスタマイズが可能です。使いやすいUI/UXのため、定着しやすいです。ぜひ一度、お試しください。

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