SaaS営業とは?一般営業との違いと成果を出すポイントを解説

近年、SaaS業界は活気に満ちている業界の一つです。日本国内では、SaaSの導入を国が支援していることもあり、SaaS市場は急成長を遂げています。SaaSの市場は、2024年には1兆1,200億円規模になることが予測されています。 この記事では、SaaS営業の特徴や仕事内容、営業プロセスについて紹介します。また、SaaS営業が知っておくべき用語についても解説します。 1.SaaS営業とは SaaS […]
SaaS営業とは?一般営業との違いと成果を出すポイントを解説

近年、SaaS業界は活気に満ちている業界の一つです。日本国内では、SaaSの導入を国が支援していることもあり、SaaS市場は急成長を遂げています。SaaSの市場は、2024年には1兆1,200億円規模になることが予測されています。

この記事では、SaaS営業の特徴や仕事内容、営業プロセスについて紹介します。また、SaaS営業が知っておくべき用語についても解説します。

1.SaaS営業とは

SaaSとは「Software as a Service」の略で、「サービスとしてのソフトウェア」という意味を持ちます。SaaSはクラウドの登場によって生まれたサービスです。SaaSとは、クラウドを介して提供するソフトウェアのことを指します。身近なSaaSを例に挙げると、サブスクリプション(定額制)の音楽配信サービスや動画配信サービスが該当します。

SaaSにはこうした個人向けから法人向けまでさまざまなサービスがあります。法人向けのSaaSにはグループウェアや会計ソフト、名刺管理ツールなど、業務や業種ごとにさまざまなサービスがあります。

SaaS業界の多くの企業が、「The Model」という営業プロセスを採用しています。The modelでは営業プロセスをマーケティング、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスの4つに分け、それぞれの担当者が専門性を発揮して利益の最大化を目指しています。

一般営業とSaaS営業との違い

一般営業は、1度販売すれば利益になるため、プロダクトの質を問わず、営業担当者に営業力さえあれば成果に結び付きます。

一方、SaaSビジネスは契約の継続が必要なため、契約後、すぐに解約されてしまっては意味がありません。

SaaSでは、顧客獲得にかけたコストを利益で回収するにはどのくらいの期間が必要かを表す「payback period」という指標があります。SaaS企業の多くで「payback period」に1年以上かかり、スタートアップ企業ではその期間がさらに長くなる傾向があります。

SaaSビジネスでは、契約後1年以内に解約されると赤字になってしまいます。そのため、SaaS営業は、継続して利用してもらえるように商談を進め、サービスを提供する必要があります。

また、できるだけ長期間、サービスの利用を継続してもらうためには、ヒアリングを丁寧に行い、改善点を反映させていくことが重要です。

2.SaaS営業の特徴

前述の通り、SaaS市場の成長に伴い、SaaS営業の需要は高まっています。しかし、SaaS型営業に求められるスキルは一般営業で求められるスキルとは大きく異なります。 これからSaaS営業にチャレンジしたいと考えている営業担当者は、SaaS営業独自の特徴を理解して営業活動を行うことが非常に重要です。 この項目では、SaaS営業の特徴を3つ挙げて紹介します。

課題解決につながる営業

SaaS営業は、顧客の課題を丁寧にヒアリングし、その課題解決に自社の製品やサービスがいかに役立つか、課題解決型の提案をすることが必要です。つまり「すごい機能がある」

「こんなこともできる」というような提案を行っても受注するのは難しいです。

SaaS営業は、顧客の不満や悩みを解決するために存在していることを忘れずに提案をすべきです。押し売りのような提案は絶対禁物です。

売り切り営業ではなく、中長期の視点が必要

SaaS型営業は、中長期の視点が必要です。販売方法が、後のLTV(Life Time Value)に影響してくるため、商談を介して顧客との信頼関係を築き、顧客の社内において部署をまたがって関係性を広げておくことが最重要事項です。

一般営業は商材を売り切るため、営業担当者の提案力やクロージング力によって受注できることが良い営業とされています。ところがSaaSでは、LTVの最大化とChurn Rate(解約率)を最小化することが、売り上げを伸ばすうえで必要不可欠とされています。

営業力を駆使し、ターゲット以外の顧客に無理やり販売しても、SaaS営業では、カスタマーサポート(CS)の工数の増加、手厚いサポートをしても解約に至る、市場価値の低下など、さまざまなデメリットが生じます。

SaaS営業は、売ったら終わりとは考えず、SaaSビジネスの成長にコミットする意識を持ち続けることが肝心です。

営業のプロセスで職種を分別

SaaS営業では、営業のプロセスごとに職種を分けて活動します。

この点が、SaaS営業と一般営業との大きな違いと言えるでしょう。企業によって多少の違いはありますが、多くのSaaS企業が営業プロセスを、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスに分けています。

3.SaaS営業のプロセスごと営業の役割の違い

この項目では、SaaS営業の営業プロセスの中にあるそれぞれの役割について解説します。

インサイドセールス

インサイドセールスの役割は、フィールドセールスへの橋渡しです。最初に顧客と接点を持つ立場のため、企業の第一印象を決める存在でもあります。

広告やセミナーなどで商品やサービスを認知した見込み客に対し、ヒアリングを実施し、受注確度の高い顧客へと育てるのがインサイドセールスの仕事です。その後、フィールドセールスへと引き継ぎます。

インサイドセールスは、リーマンショック後のアメリカで誕生した営業手法です。インサイドセールスは内勤営業とも呼ばれ、顧客を直接訪問しない営業方法です。

メールやコミュニケーションツール、オンライン会議ツールなどを活用し、非対面でのコミュニケーションを通じて営業活動を実施します。そのため、遠方で実際に訪問が難しい顧客にもアポイントを取ることができます。

フィールドセールス

フィールドセールスは外勤営業とも呼ばれ、営業と聞いて多くの人が思い浮かべる仕事しごとであり、インサイドセールスから顧客情報を引き継ぎ、顧客を直接訪問し、提案やクロージングを実施します。

従来の営業職と異なる点は、インサイドセールスによって育成された成約に向けた確度が高い顧客を訪問するため、営業効率が高く、コスト削減に繋がる点です。

カスタマーサクセス

カスタマーサクセスの役割は、顧客が自社の商品やサービスを活用できているか確認し、必要ならばフォローすることです。顧客の利用状況などに応じて継続的に活動し、顧客を成功へと導きます。

カスタマーサポートと混同されがちですが、カスタマーサポートは顧客からの問い合わせを受けてから行動するため受動的です。一方、カスタマーサクセスは、発生する可能性がある課題や問題を先読みし、防止策や対策を考えて事前に支援を行うため、能動的に活動します。

サブスクリプションのビジネスモデルにおいて非常に重要なのが解約率です。解約率(チャーンレート)が高くなると事業や利益の縮小に繋がるため、ヘルスコアを算出して顧客に適切なフォローを続けて解約率を常に低く維持することが、カスタマーサクセスの目標です。

4.SaaS営業が理解しておくべき用語集

SaaSは比較的新しいサービス・職種のため、SaaS業界の用語にまだ馴染みがないという人も少なくないでしょう。ここでは、SaaS営業が理解しておくべき用語をまとめて紹介します。日々の商談やビジネスにきっと役立つはずです。

ARR

ARRとは、毎年決まって得られる売り上げのことを指します。Annual Recurring Revenueの略で、年間経常収益や年間定期収益とも呼ばれます。特に年間契約を結ぶことが多いSaaSのBtoBビジネスでは、ARRが重要視されることが多いです。収益の増減を年単位で明確に把握し、事業がどのくらい成長しているかを数値化して確認できます。

LTV

LTVとは、顧客が生涯を通じて企業に与える利益のことです。一般的には、顧客ロイヤリティと呼ばれる顧客の商品やサービスに対する愛着が高いほど、LTVが高まる傾向があります。LVTとはLife Time Valueの略で、「顧客生涯価値」と訳されます。

CAC・CVR

CACは、顧客1社を獲得するのにかかった営業やマーケティングのトータルコストを指します。CACはCustomer Acquisition Costの略で、顧客獲得単価を意味します。特定の期間に投資した営業やマーケティングのコストの合計金額を、獲得した顧客数で割って算出します。

CVRはConversion Rateの略で、コンバージョン率を指します。販売促進のために広告を配信する場合、その広告が実際に何件の購入につながったのかをコンバージョン率として数値化します。CVRは、Webマーケティングのあらゆる施策で必須の考え方です。実行した施策がどれだけ成果を出せたかどうかを判断する、重要な指標です。

CVRは、次の式で計算することができます。

  • コンバージョン数÷アクセス数またはクリック数=コンバージョン率

Churn Rate(チャーンレート)

Churn Rateとは、解約率を指します。SaaSのような、継続的に定額を課金するサブスクリプション型のビジネスモデルでは特に追いかけなければならない指標と言えます。

Churn Rateには一般的に、収益ベースで算出するレベニューチャーンレートと、ユーザー数やアカウント数で算出するカスタマーチャーンレートの2種類あります。

それぞれの計算式は下記の通りです。

  • レベニューチャーンレート=(サービス単価×今月解約されたアカウント数)÷今月の総収益×100
  • カスタマーチャーンレート=(今月解約されたアカウント数÷前月のアカウント数)×100

新規顧客の獲得に必要なコストは、既存顧客を維持するコストの5倍かかると言われています。顧客離れを5%改善できれば、利益率が25%改善されるという法則もあるため、サブスクリプションモデルのビジネスでは、多くのコストをかけて新規顧客を獲得する以上に、既存顧客の離脱を防いで売り上げを増やすほうが重要です。そのため、SaaSビジネスにとってChurn Rateは重要な指標なのです。

Break-even Point

Break-Even Pointは損益分岐点のことです。CAC(顧客獲得単価)の回収が終了し、利益が発生し始める転換点を指します。損益分岐点後、いかに契約期間を伸ばしていくかがSaaSビジネスの成功につながります。

5.SaaS営業で成果を出す重要ポイント

SaaS営業が成果を出すためには、どのような点を意識すればいいのでしょうか。 この項目では、SaaS営業が成果を出すための重要ポイントを3つ挙げて紹介します。

①マーケティングとの連携による、データ蓄積と分析

SaaS営業は、営業部内はもちろん、マーケティング部門との連携が必須です。会社の目標と目標達成に必要なリードについてなど、プロジェクト全体を細部まで共有できると、営業活動がスムーズです。

②ナレッジの蓄積と情報拠有

SaaS営業では営業プロセスごとに担当者がいるため、チームとして動くことが求められます。SaaSビジネスは、成約しても1件1件の売り上げが少ないという特性があるため、顧客数を増やしていかなければなりません。そのため、少数のトップセールスだけで活動していくと、行き詰まってしまうことが考えられます。

SaaS営業では、チーム全体でノウハウを共有しあう意識が成功の鍵を握ります。ナレッジの蓄積にもCRMやSFAといったITツールが役立ちます。

③ITツールを活用した営業プロセスの構築

サブスクリプションビジネスを取り入れる企業は、急増しています。従来の売り切り型のビジネスとは異なり、サービスの契約から継続して利用してもらう必要があり、解約されるリスクと常に隣合わせです。そのため、SaaS営業では、契約の前後を通して顧客から信頼され続けることが非常に重要です。

特にSaaSビジネスは、顧客のサービスの利用状況など詳細なデータを元に、顧客情報、商談情報などを活用して科学的に分析することが求められます。分析結果を基に行動していけば、ビジネスを成功に導くことができるでしょう。

SaaSにおけるBtoB営業では、初回のアポイントから契約までの期間が長くなることが多いです。長期間にわたり顧客との関係性を築いていくうえで、営業プロセスの各フェーズの営業担当者が顧客情報を共有し、顧客をサポートし続ける必要があります。

顧客とのやりとりの履歴や営業に必要なデータを的確に管理するには、Merが提供するpipedriveのような、顧客管理ツール(CRM)や営業支援ツール(SFA)といったITツールを使うと、顧客情報や営業の進捗の共有がスムーズです。

6.SaaS営業はチームで連携し顧客をサポートすることが重要

SaaSとは、クラウドを介して提供するソフトウェアのことを指します。Break-Even Pointと呼ばれる損益分岐点を意識し、損益分岐点を過ぎてからいかに長く契約し続けてもらえるかがSaaSビジネスの成功の鍵を握ります。

SaaS営業は、売ったら終わりとは考えず、SaaSビジネスの成長にコミットする意識を持ち続けることが肝心です。そのためには、SaaS営業のプロセスを担う各担当者が連携し、顧客を能動的にサポートし続けることが重要です。

そのためには、営業の各担当者が顧客情報をスムーズに共有できる環境が必要です。CRMやSFAといったITツールを活用するといいでしょう。

Merが提供するエストニア発の顧客管理ソフトであるpipedriveは、リードや案件の管理、顧客とのやりとりの追跡、タスクの自動化、分析とレポート機能など、営業活動を支援するための機能を数多く搭載しています。

商談の進み具合や商談結果を可視化でき、データを整理して管理しやすいため、インサイドセールスからカスタマーサクセスまで、あらゆる部門に必要な情報を引き出しやすいです。

pipedriveには4つのプランあります。どのプランも初期費用0円、年間払いの場合、月額1,500〜6,000円/1ユーザーで利用できます。14日間のフリートライアル期間を設けており、使いやすさを確認してから導入できます。