顧客管理システム(CRM)は、見込み顧客(リード)を管理し、1人ひとりの購買プロセスに応じたアプローチを行うために利用するツールです。
現在、顧客管理システムはあらゆる業界・業種に浸透し活用されていますが、近年では、不動産業界でも積極的に導入する企業が増えています。コストパフォーマンスの高い顧客管理システムの構築が、最近のトレンドになっているためです。
そこでこの記事では、不動産業界に特化した顧客管理システムを21個、売買仲介、賃貸仲介、売買・賃貸仲介向けに紹介します。顧客管理システムの概要や選ぶ際のポイントも紹介しているので、導入を検討する際にぜひ参考にしてみてください。
不動産向けの顧客管理システム(CRM)とは
不動産向けの顧客管理システムは、ほかの業種向けの顧客管理システムと違いがあるのでしょうか。この項目では、顧客管理システムの概要と、不動産向け顧客管理システムの特徴を解説します。
顧客管理システム(CRM)とは
顧客管理システムとは、その名の通り、企業と顧客の関係を管理し、良好なものにする目的で様々な業界で活用されています。顧客の氏名・年齢・性別などの情報とあわせて行動や反応を分析し、顧客一人ひとりの状況に合わせた適切なアプローチが可能になります。
不動産向け顧客管理システムの特徴
不動産向け顧客管理システムとは、不動産業界の実務に特化した機能を持つCRM(顧客関係管理)システムのことを指します。不動産業界向けの顧客管理システムの主な利用目的は、最終的に来店率や成約率を高めることにあります。
近年、ネットサービスの普及によって、顧客のチャネルは多様化しています。これまでの不動産業は、チラシや広告、テレビやラジオCMによる宣伝によって新規顧客を獲得するのが一般的でした。
今後、新たな見込み顧客を獲得していくには、従来の方法に頼るだけでなく、さまざまなチャネルから得る顧客情報を1ケ所に集約し、管理することが重要です。
不動産向け顧客管理システムの便利な機能
不動産向け顧客管理システムには、業界に特化した便利な機能が搭載されています。それらの機能の中から、特に特徴的なものを4つ挙げて紹介します。
賃貸ポータルサイトから顧客情報の自動登録
SUUMOやHOME'Sなどの賃貸ポータルサイトから問い合わせをくれた顧客情報を、自動的に、リアルタイムで顧客管理システムに登録できる機能です。複数のポータルサイトからの情報を登録できるうえ、顧客の仕分けや重複チェックも自動的にしてくれます。
また、新規顧客に対しては、メールの自動返信などですぐにアプローチすることも可能です。来店予約など、次のステップへ進むように促します。
顧客情報の履歴の管理
不動産向け顧客管理システムでは、顧客との過去の接点ややりとりの履歴を確認できます。
不動産は契約の際の金額が大きいため、検討に時間がかかる顧客も少なくありません。不動産向け顧客管理システムでは、長期にわたり検討中の顧客に対して数週間後、数か月後など将来のタスクを割り当てておけるものが多く、追客漏れを防げます。
見込み顧客や既存顧客へのメールの自動送信
直近で問い合わせがあった顧客や、頻繁に検索・閲覧している顧客に対して、各顧客の状況に応じた販売促進メールを自動配信する機能があります。顧客管理システムによっては、顧客の状況に合わせ段階的に自動配信するステップメールに対応したものもあります。
LINE連携
不動産向け顧客管理システムとLINEを連携することにより、顧客のLINEアカウントとつながれます。連携すると、LINEを通じて不動産情報に関するメッセージを一斉配信できますし、顧客と個別に直接やり取りできるようになります。
不動産業が顧客管理システムを導入するメリット
不動産業が顧客管理システムを導入するメリットは主に以下の2つがあります。
- 引き継ぎが容易になる
- 業務効率化による
それぞれについて解説します。
引き継ぎが容易になる
顧客管理システムでは顧客情報や商談履歴をシステム上に集約できるため、引き継ぎの手間を省けます。不動産業界では、従業員の異動や休職のため商談中に担当者が変わるケースは少なくありません。顧客管理を紙でしている場合、情報が属人化しやすくスムーズな引き継ぎが難しいことが多いです。
顧客管理システムを導入していれば、顧客情報や商談履歴をシステム上で確認できるため、引き継ぎがスムーズです。また、顧客からの問い合わせの際、担当者が商談中であったり休みをとったりしていても、別の従業員がすぐに対応できるため、顧客との関係性構築に役立ちます。
業務効率化による人手不足の解消
顧客管理システムの導入によって業務効率化が進めば、人手不足の解消につながります。
不動産業の業務は、顧客からの問い合わせへの返信や追客メールの作成など煩雑な業務が多く、業務量が増えがちですが、顧客管理システムにあるメールの自動送信機能を活用すれば、大幅な業務効率化が図れます。また、顧客管理システムの多くに自動集計機能が備わっているため、データの集計やニーズの分析にかかる手間も短縮できるでしょう。
その結果、顧客対応のような営業担当者が本来すべきコア業務に充てられるリソースを増やせるうえ、人手不足の解消にもつながります。
不動産業に特化した顧客管理システムを20紹介
不動産業に特化した顧客管理システムにはどのようなものがあるのでしょうか。この項目では、不動産業向けの顧客管理システムを21、賃貸・売買、賃貸、売買の3つの業態別に紹介します。
賃貸・売買両方を行う不動産業向け顧客管理システム9選
賃貸と売買、両方を行う不動産業におすすめの顧客管理システムは以下の通りです。
売買仲介業がメインの不動産業向け顧客管理システム5選
売買仲介が中心の不動産業におすすめの顧客管理システムは以下の通りです。
賃貸仲介業がメインの不動産業向け顧客管理システム6選
賃貸仲介が中心の不動産業におすすめの顧客管理システムは以下の通りです。
不動産業でも使える汎用型顧客管理システム4選
不動産業界に特化はしていないものの、使い勝手のよい汎用型顧客管理システムを4つ、厳選して紹介します。
1.pipedrive
顧客管理・営業支援ツールである「pipedrive」は、顧客情報と営業活動の管理をワンストップで実行できるCRM/SFAツールです。顧客管理と営業支援に必要な基本機能はすべてそろっており、あらゆる情報を一元管理できます。
pipedriveの最大の特徴は、営業活動に関するあらゆる情報を一括管理できる点にあります。顧客情報のほか、営業の進捗をパイプラインで管理できるため、各案件の現状をひと目で把握できます。
機能が豊富なのにシンプルで使いやすい点が多くのユーザーに支持され、世界中で10万社以上に導入されています。モバイルアプリの用意がありスマートフォンやタブレットからのアクセスが容易なため、現地を案内するため外出が多い不動産業界の営業担当者の利用に向いています。
無料トライアルの用意があるので、使い勝手を試してから本格的な導入ができます。
2.Salesforce Sales Cloud
顧客に関する基本情報、営業が入手した顧客に関する方法など、あらゆる取引先の情報をまとめて管理できます。属性情報はもちろん、取引額、確度、進捗状況などを管理でき、インサイドセールス、フィールドセールスに役立ちます。モバイルアプリの用意があり、外出先でも、顧客情報や商談状況を確認できます。
3.Zoho CRM
Zoho CRMは、見込み顧客の獲得から、商談、成約、既存顧客との関係構築までを一元管理できるクラウド型顧客管理システムです。低コストで利用できるため導入しやすいこと、そして直感的でわかりやすいインターフェイスが支持され、全世界で25万社が導入しています。
料金プランは4つあり、1ユーザーあたり1,680〜6,240円(税抜)。初期費用やオプション料金がかかりません。Google WorkspaceやSlack、zoomなどの主要アプリと容易に連携できるのも魅力です。
4.Microsoft Dynamics 365
Microsoft Dynamics 365は、マイクロソフト社が開発したビジネスツールです。複数のアプリケーションがパッケージになっており、そのうちの1つに顧客管理の機能を備えたものがあります。顧客管理(CRM)や営業支援(SFA)をカバーしており、さまざまな営業活動の効率化を図れます。
Microsoft Dynamics 365はオフィスアプリのデザインを踏襲しているため、業務でワードやエクセルなどを使っている場合、馴染みやすいでしょう。また、Microsoft Dynamics 365は、Microsoft 365と連携できます。アプリ間でシームレスにデータを連携できるため、営業活動の管理がしやすいです。
不動産向け顧客管理システムの比較ポイント
不動産向け顧客管理システムを選ぶ際、自社に合うシステムかどうか、悩むこともあるでしょう。この項目では、不動産向け顧客管理システムを選ぶ際に比較するといいポイントとして、以下の4つを紹介します。
- 不動産特化型か・汎用型か
- オンプレミス型かクラウド型か
- 操作がシンプルで扱いやすいか
- 目的の機能があるか
不動産特化型か・汎用型か
顧客区管理システムには、特定の業界・業種に特化したものと、あらゆる業界にマッチするよう作られた汎用型があります。売買・仲介や不動産管理業務の場合、使い方によっては汎用CRMでも業務を効率化できますが、業務に合わせてカスタマイズする必要がある場合があります。
顧客管理システムの多くが、デモや無料トライアルを用意しているので、まずは実際に操作してみて、自社の業務に適しているか確認するといいでしょう。
また、不動産業のうち賃貸仲介業をメインとする企業の場合、賃貸ポータルサイトと連携している不動産業に特化した顧客管理システムを選ぶと、実店舗とポータルサイト両方の顧客情報を一元管理できるため、効率的な運用が実現するでしょう。
オンプレミス型かクラウド型か
オンプレミス型とクラウド型のどちらを選ぶかは、自社での活用方法を明確にしたうえで検討するといいでしょう。
不動産業の営業担当者は、顧客を物件に案内するために外出することが多いです。そのため、モバイル端末に対応したクラウド型のシステムの方がマッチしているといえるでしょう。
一方のオンプレミス型は、利用環境に合わせて柔軟にカスタマイズできるのが利点です。不動産業に特化した顧客管理システムでないものでも、カスタマイズ次第では、問題なく運用できます。
いずれも長所・短所があります。機能を十分に吟味し、自社の課題解決につながるシステムを選びましょう。
操作がシンプルで扱いやすいか
操作のしやすさも、重要な選定ポイントです。不動産業界の業務では外出先で顧客情報を確認することが多いです。顧客管理システムを選ぶ際には、顧客の基本情報や過去の対応履歴などを一目で確認できることが重要です。加えて、物件情報や物件の画像を追加しやすいか、操作性の良さもチェックしましょう。
最近の顧客管理システムは、わかりやすい画面構成になっており直感的に操作できるものが豊富にありますが、システムごとに、見やすさ、操作のしやすさに特徴があり、違います。そのため、無料トライアルを利用できる場合には、実際に使い勝手を確認してから導入することをおすすめします。
重要なのは、オフィスでも外出先でもストレスなく使えることです。実際に現場で働く営業担当者の意見を取り入れて選定するといいでしょう。
目的の機能があるか
目的とする機能があるかどうか、確認しましょう。目的とする機能とは、自社の課題やニーズの把握を把握し、それらを解決に導く機能のことを指します。また、不動産業は売買・賃貸などの仲介業務のほか、物件の管理業務などもあり、顧客管理システムを使用する業務によって、必要な機能は異なります。
不動産業界特有の業務を効率化したいなら、不動産業界に特化した顧客管理システムが向いています。中には、業務全体の効率化を目指したい企業もあるでしょう。その場合には、業界を問わず使用できる汎用性の高い顧客管理システムが適しているかもしれません。
目的とする機能を見つけるには、まず、自社の課題とニーズを見出して優先順位をつけることから始めましょう。
まとめ:自社の課題とニーズを把握して最適なシステムを選ぼう
顧客からの問い合わせのチャネルが複数ある不動産業では、顧客管理が煩雑になりがちです。不動産業に特化した業務の場合、不動産向けに開発された顧客管理システムを活用すれば、複数チャネルからの問い合わせを集約でき、見込み顧客とのやりとりがスムーズにできるため、成約までプロセスをテンポよく進められる可能性が高まります。また、社内での情報共有がしやすくなるのもメリットだと言えるでしょう。
とはいえ、場合によっては、あらゆる業界に対応した汎用性の高い顧客管理システムのほうが向いているケースもあります。そのため、顧客管理システムを選ぶ際には、自社の課題とニーズを把握し、それらを解決できるシステムを選ぶことが重要です。
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