営業利益の求め方|粗利益と営業利益の関係と販管費について解説

企業の業績を確認するのに重要視されるのは会計上の利益です。利益には粗利益、営業利益、経常利益、税引前当期純利益、当期純利益と5つの利益が計上されますが、なかでも粗利益と営業利益については、よく知っておくことをおすすめします。

この記事では、営業利益の求め方と営業利益に密接に関わる販管費の例、営業利益率の算出方法について詳しく解説します。

1. 営業利益とは

営業利益とは、企業が本業で稼いだ利益のことを指します。損益計算書上に表される利益の1つで、売上高から売上原価を差し引いた売上総利益から、販売費および一般管理費を引いたものです。

2. 営業利益の求め方とは

例えば小売業の場合、売上高から商品の仕入れ値を引いた額が売上総利益となり、そこから人件費などの販売費および一般管理費を引くと、営業利益を算出できます。

販管費とは

販管費とは、「販売費および一般管理費」の略語で、商品などの販売に直接かかる費用を指します。一方の一般管理費は、会社の業務全般の管理活動にかかる費用のことです。

販売費には、販売手数料や広告宣伝費などが該当します。一般管理費には、間接部門の人件費や減価償却費、交際費、旅費交通費、租税公課などが該当します。

会社経営において、販売費は営業利益と密接に関係します。販売費が少ないほど営業利益が上がりますが、会社は販売費を抑えることを目的とせず、販売費がいかに効率よく利益に結びついているかを分析することが非常に重要です。

販管費の例

販売費の例として、次が挙げられます。

・販売に従事する従業員の給与

・宣伝広告費

・保管費

・発送費や配達費 など

販売費には、販売員に必要な交通費や代理店への販売手数料、出荷手数料のほか、販売促進に必要な作成費なども含みます。


広告宣伝費 

広告宣伝費とは、自社の商品やサービスなどを不特定多数の消費者に販売するための広告や宣伝にかかる費用です。新聞や雑誌の広告、テレビCM、インターネット広告の制作や提供にかかる費用のほか、パンフレットやリーフレットの作成などにかかる費用のことを指します。

広告宣伝費は、不特定多数の人に対する広告宣伝効果を持たなければなりません。広告宣伝費は1年以内に宣伝効果が失われることが特徴で、1年を超えて効果が発生する場合、広告宣伝費とは別の会計処理が必要です。また、看板などの屋外広告のうち高額なものは固定資産となります。支払額によって減価償却する必要があります。

広告宣伝費に含まれる費用は以下の通りです。

・新聞や雑誌、情報誌などへの広告費用

・会社案内の作成費用

・ポスターやパンフレット、カタログ、チラシの制作費用

・商品サンプルの費用

・ホームページ制作費用

・インターネット広告費用

・求人広告費用

・広告目的で配布するカレンダーやタオルなどの費用

・広告宣伝のために実施する懸賞の賞金や商品の費用 など

該当しないのは以下の通りです。

・広告宣伝効果がない特定の事業者との関係構築のための協賛金

・イベントの主催団体や自治体との関係構築のための協賛金

・得意先や仕入先など事業関係者への贈答品などにかかる費用

人件費

販管費に含まれる人件費は、販売に従事する従業員の給与が一般的です。業種によっては、給与手当などの人件費が売上原価に該当することもあります。

例として、製造業の場合、工場で働く人の賃金と事務所で働く人の給与では、経費の性質が異なります。工場で働く人に支払う賃金は、製品製造に直接関係する経費のと捉えられるため、売上原価に該当します。ところが、事務所では鱈区費との給料は、間接部門の経費に該当するため、一般管理費となります。

運賃・光熱費

商品の販売にかかる運賃には、仕入れ時にかかる運賃と販売時にかかる運賃の2種類があります。仕入れにかかる運賃は売上原価を構成するため、商品の取得価額に含まれます。販売ジイかかる運賃は販売にかかる費用のため、販売費に該当します。商品の販売する際のどのフェーズで発生しているかによって、形状する科目が異なるので注意が必要です。

店舗や事務所にかかる水道代やガス代、電気代などの光熱費は、一般管理費に該当します。

地代家賃

賃借している土地や建物が販売に関わる事務所や店舗などであれば、地代家賃を販売費および一般管理費に計上します。

工場などのように商品の製造部門で使用されている場合、製造経費の一部として製造原価に含まれます。

採用費

採用費は一般管理費に該当します。採用費には、採用サイトや求人情報誌にかかる掲載費用などを「外部コスト」、採用業務にかかった社内の時間を「内部コスト」の2種類あります。

合同会社説明会への参加費、採用パンフレットの制作費、プロモーション動画の制作費なども採用費に含まれます。 

3. 粗利益と営業利益の違い

利益には、5種類あります。

・粗利益

・営業利益

・経常利益

・税引前当期純利益

・当期純利益

特に重要なのが、粗利益と営業利益の2つです。この項目ではこの2つの違いを把握できるよう、解説していきます。

粗利益(売上総利益)

一定期間の経営成績を表す損益計算書上にある粗利益は売上総利益とも呼ばれ、売上から売上原価を差し引いた金額を指します。

本業で得た利益のことを示し、製造業の場合、売上原価の代わりに製造原価が差し引かれます。

粗利益と営業利益の関係

営業利益は、売上総利益から販売費および一般管理費を差し引いたものです。営業利益は会社が本業でいくら儲けたのかを示し、本業の実力があらわれる利益と言われています。営業利益を見る際、粗利益や売上高と販売費および一般管理費を関連づけて分析することも重要です。

例えば、粗利益は前年度から変わらないのに人件費が増加した場合、営業利益は下がります。将来を見越し先行投資として人員増加をしたが結果が出なかった、と見ることができるからです。人員増員の結果がいつ出るかが、一つの判断ポイントになります。

このように、粗利益と経営利益を見る際には、販売費および経費を関連付けて分析することが重要です。

営業利益が理解できたら営業利益率を求めよう

営業利益率は、売上高に対する利益率を計算します。事業の現状が妥当かどうかを判断する指標で、本来は売上高営業利益率という名称です。

営業利益率を明確に把握する理由

営業利益率を明確に把握する必要があるのは、利益を出す力を知るためです。営業利益率は、売上高の大小ではなく、売上高に対する利益率を元に事業の状態を確認します。事業の稼ぐ力を知ることができる指標だからです。

営業利益率が高い企業は、一般的に経営が安定していると言われています。

営業利益率の計算方法

営業利益率を算出する方程式は次の通りです。

営業利益率(%)=(営業利益÷売上高)×100

営業利益率の計算例

営業利益率の計算について、例を挙げて紹介します。

例)

売上…1,000万円

売上純利益…500万円

営業利益…50万円

このような場合は次の通りです。

売上高営業利益率=(50万円÷1,000万円)×100=5%

営業利益率の適正目安

営業利益率における適正水準の目安は、次の3つに分類できます。

・10%以下…標準的

・11〜20%…有料水準

・20%以上…高水準だが注意が必要

・マイナスの場合…すぐに改善すべき

【標準】10%以下

営業利益率が10%以下の場合、標準的な水準だといえます。とはいえ、現状に満足せず、さらなる利益が拡大を目指して高い意識を持ち、経営の改善を継続していきましょう。わずかなきっかけで、これまで盤石だった経営が一気に衰退してしまう可能性もあるからです。

【優良水準】11%~20%

営業利益率が11%〜20%の場合、優良水準だといえます。11%〜20%の営業利益率を維持できれば、成長や投資についての好循環や、持続的成長の実現を期待できます。

さらに安定経営を目指すなら、11%〜20%の営業利益率のほか、下記2点を満たせるよう企業活動をするのがおすすめです。

・営業利益金額が一定水準を上回る

・売上が増加傾向

【水準が高いのは危険な面あり】20%以上

営業利益率が20%以上のときは、高水準であるものの注意が必要です。

営業利益率の水準が20%以上でも、社内に課題や問題が一切ないなら問題ないのですが、次のような問題が生じているなら改善が必要です。

・人件費が低水準

・保守修繕に不足がある

・取引先に無理を強いている など

このような問題を抱えている場合、急成長のあとで一気に衰退する危険性があります。

4. 粗利益と営業利益の関係を知って安定した経営基盤を築こう

営業利益とは、企業が本業で稼いだ利益のことを指します。売上高から売上原価を差し引いた売上総利益から、販売費および一般管理費を引いて算出します。粗利益から営業利益、営業利益率を算出すると、自社の経営が安定しているのかどうかが見えてきます。営業利益率の優良水準と呼ばれる11%〜20%を目指して、企業活動を継続するといいでしょう。 

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