市場分析に欠かせないフレームワーク7選|事業を成功に導く分析方法とは?

2022年5月31日

ビジネスを成功させるために必要なマーケティング分析手法やフレームワークを知っておくと、今後の戦略立案・分析に役立ちます。フレームワークは、市場分析の枠組みをパターン化したものです。これから新規事業や新規プロジェクトを企画・運営していくなら市場分析は不可欠ですから、知っておいて損はありません。

この記事では、市場分析によく使われるフレームワーク7つと、分析後のデータを元にすべきことを紹介します。

1.市場分析を入念にすることが今後の事業の成功を決める

ビジネスのなかでも、新規事業を立ち上げて成功させるのは、非常に難易度が高いです。新規事業の成功率は10%程度とも言われています。しかし、事前のリサーチを念入りに行い、計画を立てられれば、成功率は飛躍的に向上すると言われています。

2.市場分析をする際に特にポイントとなる情報

自社で市場分析する場合、以下の3つの情報を押さえるべきです。

  • 市場規模
  • 競合調査
  • 市場の抱える課題感とトレンド把握

この項目ではそれぞれについて解説します。

市場規模

市場規模とは、特定の業界の市場の大きさと年間の総取引額のことを指します。市場規模を分析すると、売上予測や市場の動向を把握できます。とはいえ、市場と言っても、捉え方は様々です。例えば、不動産業や建設業などの業界単位で市場分析しても、実際に活用することは難しいと考えられます。

このような場合は、次の3つの括りで市場を細分化するといいでしょう。

  • TAM
  • SAM
  • SOM

TAMはTotal Addressable Marketの略で、属している業界の最大市場規模のことです。SAMはServiceable Available Marketの略で、ターゲットにアプローチできる市場規模のことです。SOMはServiceable Obtainable Marketの略で、実際に製品が獲得できると予測する市場規模のことです。

例えば、女性向けのアパレルメーカーでの場合、アパレルという大きい市場(TAM)の中でも女性用の服が欲しい人の市場をターゲットとし(SAM)、そのうち何人が自社の製品を買ってくれるか予測して市場規模(SOM)を算出する、という流れをイメージするとわかりやすいでしょう。

ターゲットに適切なアプローチをするには、市場を細分化し、ターゲットを明確にする必要があります。市場規模を分析する段階でミスをすると、その後のマーケティング活動が全て無駄になる可能性があるので、市場規模はしっかり分析すべきです。

競合情報

競合を分析することで、競合とは違った価値を提供したり、競合とは違ったターゲット層に狙いを定めて特定の市場を独占したり、様々な戦略の立案に役立ちます。競合調査で調べるべき情報は次の通りです。

  • ビジネスモデル
  • ブランドコンセプト
  • 集客経路
  • 強み・弱み
  • 売上高
  • 市場シェア率
  • どのような価値を提供しているか

上記のような情報を得るためには、競合の商品・サービスを実際に利用したり、競合分析ツールを使って調べたりします。決算書を公開している企業なら、その決算書から売上高や戦略を知ることができます。

分析後は、その価値を提供している理由や、競合が顧客から選ばれている理由を突き詰めて考えるといいでしょう。競合のビジネスについて本質的な理解が得られ、自社が取るべき戦略へつなげていくことができます。

市場の抱える課題感とトレンド把握

市場分析を実施することは、顧客を知ることでもあります。市場分析を通じて市場と顧客が抱える課題を見つけることが重要です。

市場が抱える課題やトレンドを把握すると、新しいプロダクトの開発や既存プロダクトの改善に役立つヒントが見つかるはずです。そのため、市場分析において、フレームワークによる分析はもちろん、アンケート調査を実施したり顧客から直接話を聞いたりするのは非常に重要です。

3.市場分析をする上で知っておきたいフレームワーク7選

企業の課題の解決に役立つフレームワークをいくつか紹介します。自社が抱える課題に合ったフレームワークを活用することで、解決のための分析がより正確になります。

① 3C分析

3C分析は、Company(自社)、Customer(顧客)、Competitor(競合)の3つの視点から自社の状況を分析します。3C分析は、自社の強みを洗い出すために使います。競合と比較しての優位・劣位を明らかにし、この先どのような事業展開をしていくか、判断するのに適しています。

②4C分析

4C分析は、Customer Value(顧客の価値)、Customer Cost(顧客の値段)、Communication(顧客とのコミュニケーション)、Convenience(顧客の利便性)の

4つを分析します。似ているフレームワークに4P分析がありますが、4P分析は売り手側視点で行うのとは対照的に、4C分析は買い手側視点で分析します。

成熟しきった市場では、買い手視点の戦略発想が重要です。4C分析では、競合にはない自社の強みをより正確に洗い出すことができます。

③SWOT分析

SWOT分析は、Strengths(強み)、Weakness(弱み)、Opportunities(機会)、

Threats(脅威)の4つについて、内部環境と外部環境に照らし合わせて分析します。自社の優れている点と劣っている点を把握し、優位を伸ばすのか劣位を克服するのか、判断します。そのためSWOT分析は、事業戦略の立案などに使われることが多いフレームワークです。

④PEST分析

PEST分析では、Political(政治的)、Economic(経済的)、Society(社会的)、Technological(技術的)の4つの外部要因を元に分析します。自社が置かれている状況と、外部要因にどれだけ影響を受けているか、把握するために使われます。

⑤5F分析

5F分析(ファイブフォース分析)は、市場内の競合他社と顧客を含む外部環境について調査し、自社の新規参入の見込みや収益の増加を分析します。フォースには脅威という意味があり、ファイブフォースは以下の5つの脅威を指します。

ファイブフォース分析は、競合他社との競争の激しさによって自社の収益性が変動することを前提に、自社にとってどのような脅威があるのかを分析できます。

  • 競合他社
  • 買い手の交渉力
  • 売り手の交渉力
  • 代替品の脅威
  • 新規参入の障壁

この5つの脅威はどれも、自社の収益性に影響を与えます。収益を上げられる要素はどこにあり、収益の障壁となっているのはどこなのか、5つの要因を元に分析します。

⑥ STP分析

STP分析は、Segmentation(市場細分化)、Targeting(ターゲット市場の選定)、Positioning(市場での立ち位置)について分析するフレームワークです。STP分析は、自社が誰にどのようなサービスを提供しているかを明確にします。

STP分析では競合の商品に対して自社の製品にはどのような付加価値をつけるのか判断することができるため、新商品の開発時などに使われることが多いです。

⑦バリューチェーン分析

バリューチェーン分析は、自社の事業活動を可視化し、各工程の付加価値を見つけ出すのに役立ちます。自社のビジネスや事業を、主活動と支援活動の2つに分類して行うフレームワークで、自社のビジネスにおける強みと弱みを浮き彫りにできます。

事業工程を可視化し、それぞれを個別に分析することにより、「どこに」「どのような」付加価値が発生しているかを視覚化して分析できます。ここでの付加価値とは、商品やサービスに価値をプラスすることで、ユーザーの満足度や実用性の向上につながる事柄のことを指します。食品なら、味が良い、納期が短いといった強みが付加価値として挙げられます。

4.市場分析をしたことを行動につなげることが鍵

市場分析のためのフレームワークは、成果を出すための手段の1つです。フレームワーク自体を使いこなすことにこだわるのではなく、分析結果を成果を出すための行動につなげていくことが重要です。この項目では、分析結果を行動につなげるためのノウハウを紹介します。

分析したことをもとに行動戦略が重要

分析したデータを元に、新規事業の認知拡大やシェア拡大、既存プロダクトの改善など、設定した目的や目標の達成に最適なマーケティング戦略を構築していきます。市場分析を確実に行うと、とるべき行動や戦略が明確になり、成果向上に繋がっていきます。

正確な市場分析ができていないと、意味のない差別化や、そもそも顧客ニーズにマッチしていないなどの問題が生じる可能性があります。顧客が求めていない価値を提供しても、期待するような成果は生まれません。

もっと成果をあげたい、シェアを拡大したいという課題があるなら、市場分析をしっかりと行い、的確な行動戦略を立案すべきです。

分析内容をもとにカスタマイズする

市場を分析した内容を元に、事業をカスタマイズしていきます。

  • 自社の商品やサービスのターゲットは?
  • 自社の商品やサービスの満足度は?
  • 新商品の価格設定は?
  • 競合商品とのブランドイメージの違いは?
  • 実施したキャンペーンやイベントの効果は?

分析結果をこのような視点で検討し、カスタマイズするといいでしょう。事業の目的は、成果を上げることです。市場分析の結果を基に、当初に企画した内容をブラッシュアップすることが、事業成功への第一歩です。

短期、中期、長期と具体的な目標数値設定

マーケティングでは、現実的に達成が可能な内容を目標として設定することが重要です。目標は、短期、中期、長期に分けて立てます。そのスパンでも達成が難しい目標を立てていると、プロジェクトへの不信感やモチベーションの低下を招く恐れがあります。曖昧な目標設定では、達成した状態を想像しにくいため、具体的な数値を設定します。

目標数値を設定する際には、過去の実績値を元にして、目標とすべき数値を具体化するのがおすすめです。「売上高10%アップ」という目標は漠然としていますが、「売上高10%アップのために客単価を5%上げて、1000人の購入を目指す」とすれば、内容が理解しやすいです。このように、現実的に実現可能なKPIを設定することによって、小さな成功体験を繰り返しながら、チームのモチベーションを高めていけます。

5.自社の課題に合ったフレームワークで市場分析し具体的な目標を設定しよう

市場分析の結果は、成果を出すための行動につなげるために活用します。フレームワークでの分析自体にこだわるのではなく、成果にこだわってこそ、市場分析が活きてきます。

この記事では7つのフレームワークを紹介しましたが自社が抱える課題に合ったフレームワークを活用し、解決につなげる正確な分析をしていきます。

顧客情報を蓄積できるツールの1つにSFA(営業支援ツール)があります。SFAを導入すると、自社の顧客情報や活動情報、案件情報について、さまざまな情報を蓄積できます。これらの情報を分析することによって市場や行かなどの大きなフィールドでの動向分析や、結果の要因を探る要因分析、動向と要因を元にした検証分析、未来を予測する予測分析などが可能になります。

こうしたデータと市場分析の結果を重ね、比較しながらさらに分析していくと精度が上がり、より成果につながる行動をしやすくなるでしょう。

Merが提供するpipedriveは、エストニア発のCRM/SFAツールです。リードや案件の管理、顧客とのやりとりの記録と追跡、タスクの自動化、分析とレポート機能など、営業活動を支援する機能を搭載しています。既に使っているグループウェアとの双方向同期も可能です。

分散しがちな情報を集約できるうえ、インサイトとレポート機能が充実しており、目標の設定と追跡も可能です。

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