顧客情報を管理するツールにはさまざまな種類があります。エクセルでの情報管理も手段のひとつであり、無料で活用できる、専門知識が必要ないなどが魅力です。ツールの導入や運用に予算をかけたくない場合に、エクセルでの管理をおすすめします。
ただし、的確な意志決定をするためには、エクセルで扱う顧客情報の正確性が重要です。本記事では、エクセルで顧客管理を行う方法や始めるまでの流れについて解説します。おすすめの顧客管理ツールについても紹介するので、参考にしてください。
エクセルで顧客管理を始めるまでの4ステップ
エクセルで顧客管理を始めるまでの4ステップは次の通りです。
- 項目・フォーマットの設定
- 顧客データの入力
- リスト化
- 微調整
1.項目・フォーマットの設定
項目・フォーマットを設定する段階です。その前に、どのような情報を顧客管理シートに含めるかを洗い出す必要があります。顧客の基本情報や、接触日、特記事項など、必要な情報を明確化します。
集めた情報をもとに、項目やフォーマットを設定して整理しましょう。見やすさや分かりやすさを意識することで、エクセル上での情報共有がスムーズになります。
2.顧客データの入力
次は項目・フォーマットに顧客データを入力していきます。マーケティング施策で正確な意思決定をするために、データの入力ミスや重複、不足などに注意して作業しましょう。
入力されたデータが適切であるかどうかは定期的に確認し、必要に応じて修正や更新を行います。確認方法としては、複数人でデータの整合性を確認することが挙げられます。
また、入力した顧客データは適切に保管するために、セキュリティを確保することが大切です。定期的にバックアップを行うことで、データの紛失や破損を防げます。
3.リスト化
顧客データをエクセルシートに入力した後は、リスト化します。名前や連絡先などの情報を適切な列に配置したり、カテゴリ別に分けたりします。
データのリスト化の後は、定期的にデータの確認と更新が大切です。顧客情報が変更された場合や、新しい顧客が追加された場合に、リストを適切に更新して最新の状態を維持することで、的確な取り組みを進められます。
4.微調整
データをリスト化した後、必要に応じてフィルタリングや品質チェックを行います。フィルタリングでは、データの重要性や優先順位に基づいて絞り込み、必要な情報に素早くアクセスできるようにします。
また、的確な意志決定のために、重複した、もしくは不正確な情報、欠落しているデータなどを確認する必要があります。確認したデータに問題がある場合は、適宜修正しましょう。
エクセルで顧客管理を行うメリット
エクセルで顧客管理を行うメリットは次の通りです。
- 運用が容易である
- 専門知識・人材を必要としない
1.運用が容易である
エクセルはセルの操作やデータの入力、整理、編集が簡単に行えます。そのため、顧客情報の管理やシステム運用も容易である傾向にあります。
また、複数のユーザーどうしでファイルの共有や送付も容易に行えます。新しい顧客情報を追加したり、既存の情報を修正したりする場合に、同じファイルにアクセスしていればすぐに反映される仕組みです。運用が容易であることに加え、情報漏れや交換を防ぐ、迅速な意思決定ができるといった魅力があります。
2.専門知識・人材を必要としない
エクセルはデータの入力や計算、整理がほかのツールと比較して容易であり、専門知識を必要としません。そのため、基本操作さえできるのであれば、どんな人でも使いやすいツールである点がメリットです。
特別な研修が必要ない分、研修やトレーニングにかかるコストを削減できます。また、専門知識がなくても、自社に合わせたフォーマットへと自由にカスタマイズできる魅力もあります。
エクセルで顧客管理を行う際のデメリット
エクセルで顧客管理を行う際のデメリットとして、次の3つが挙げられます。
- 管理数や機能の制限が多い
- 高度なデータ分析が難しい
- 使い勝手が悪い傾向にある
1.管理数や機能の制限が多い
エクセルファイルには、管理数や行数、列数などの機能に制限があります。大量の顧客データを扱う場合や、さまざまな種類の情報を管理する場合、容量制限によってデータの格納や管理が困難になる可能性があるため注意が必要です。
2.高度なデータ分析が難しい
エクセルでは基本的なデータ管理はできますが、機能の制限上、複雑なデータ分析や可視化は難しい傾向にあります。大量のデータを取り扱う場合や、複数のデータを統合・分析する場合、エクセルの機能だけでは限界があります。
高度なデータ分析を行うためには、専門的なツールやシステムの導入が必要です。高度なデータ分析は、顧客行動のパターンや傾向を詳細に把握でき、より効果的なマーケティング戦略の展開が可能となります。
3.使い勝手が悪い傾向にある
大量のデータを取り扱う場合、エクセルは動作に問題が生じ、使い勝手が悪くなることもあります。大量の顧客データを扱うと読み込みや計算が遅くなり、作業効率が低下するためです。
また、複数のユーザーが同時にエクセルを操作する場合、データの整合性が損なわれる可能性があるため注意が必要です。エクセルは手動でデータを入力するため、人為的なエラーやデータの不整合が発生しやすい傾向にあります。
エクセルの顧客管理に利用できるテンプレート【無料】
エクセルの顧客管理に利用できるテンプレートは次の通りです。
Officeテンプレートは、会社名や電話番号、住所などの属性情報をまとめられるテンプレートです。情報をシンプルにリスト化したい場合に活用できます。
また、Excel Form 顧客管理は、フォームにデータを入力するだけで、顧客情報を一元化できるテンプレートです。基礎機能は無料で活用できますが、有料の拡張機能を取り入れることで、企業の特徴に合った形にカスタマイズできます。
［文書］テンプレートの無料ダウンロードは、担当者やメールアドレスなど基礎的な情報を管理できる顧客管理テンプレートです。簡易データベースとして使用する分には十分なテンプレートであるため、シンプルな情報整理を好む場合に活用をおすすめします。
エクセル以外でおすすめの顧客管理ツール
エクセル以外でおすすめの顧客管理ツールとしては、次の3つが挙げられます。
- Pipedrive
- eセールスマネジャー Remix Crowd
- kintone
1.Pipedrive
引用：Pipedrive
Pipedriveは世界的な人気を誇る顧客管理ツールであり、179か国の100,000社以上から信頼を得ています。セールスプロセスの一元化により、進捗状況の確認が可能であり、顧客の状況に合わせたアプローチを実現できます。
カスタマイズ性にも優れており、ニーズに合わせた機能を活用可能です。Webサイトを閲覧しているユーザーや閲覧時間、流入経路などの情報を特定できたり、プロのテンプレートを応用したメールキャンペーンの利用で、クリック数を増加できたりする機能が利用可能です。
PipedriveはトップクラスのCRMツールとして認められており、過去には数々の賞を受賞しています。外部ツールとの連携も可能であり、GmailやZOOMなどのツールと組み合わせて活用できます。
2.eセールスマネジャー Remix Crowd
eセールスマネジャー Remix Crowdは、営業活動の生産性向上や業務効率化に特化した日本製のCRMツールです。使いやすさに定評があり、視認性・操作性に優れています。利用できる便利な機能としては、案件や商談の管理、進捗状況の可視化、自動メールの設定などが挙げられます。
システム構築や機能理解などの導入段階から、外部ツールとの連携や営業活動の効率化など定着段階までのサポートも依頼できます。そのため、システムを導入したけど社内で浸透しない、分析の仕方が分からないなど、顧客管理ツールを初めて利用する人でも効果的な取り組みを進められる点が魅力です。
3.kintone
引用：kintone
kintoneはノーコード・ローコードツールであるため、専門的な知識を必要とせず、自社用にカスタマイズした顧客管理システムを作成可能です。実際、非IT部門の人が業務をシステム化した事例は数多くあります。
kintoneでは、散在する情報や煩雑なメール、紙の書類の山、バラバラなシステムなど、非効率な業務の課題を解決できます。kintoneと連携できるサービスは200種類以上あるため、拡張機能を活用することで、より業務の効率化を実現可能です。
顧客管理ツールの導入を検討しているならPipedrive
エクセルでの顧客情報の管理は、専門知識を必要とせず、運用が簡易的である点が魅力です。しかし、管理数や機能の制限が多い、高度なデータ分析が難しいなどのデメリットもあるため、導入の際は慎重な判断が求められます。
顧客情報の管理ツールの導入を検討しているのであれば、Pipedriveをおすすめします。Pipedriveでは高度なデータ分析や、取り引き時間の最適化、成約率の向上を実現可能です。導入から運用までのサポートも行っているため、顧客情報を活用した取り組みで成果を出したい場合は、ぜひお問い合わせください。
