持ちかけられた提案や勧められたサービスや商品の契約や購入を断ることに、罪悪感を感じたり、抵抗を感じたりするものです。口頭で断るならまだしも、履歴が残るメールで断るのは、気が重いものです。声のトーンも表情も伝わらないため、相手を不快にさせないためにも、慎重にならざるを得ません。
そこでこの記事では、営業に対するお断りメールの作成のコツと、すぐに使える例文を紹介します。
1.ビジネスパーソンがお断りメールのポイントを知っておくべき理由
2.お断りメールを送るときに押さえるべき5つのポイント
①今回の件がすぐにわかるように「一文で示す件名」
最初のポイントは、相手からの提案に対する最終決定が書いてあることがひと目でわかる件名を記すことです。相手にメールを確実に読んでもらうため、件名には「ご提案いただいた○○の件で」というように、メールの趣旨を簡潔に記載します。この件名のように、社内で検討した結果であることがわかるとベストです。
②相手を思いやる言葉を入れる
お断りのメールの本文には必ず、相手を思いやる言葉を入れます。お断りのメールであっても、単刀直入にその旨伝えるのは失礼にあたり、不快感を与えてしまう可能性があります。
最初に提案に対するお礼の言葉を、最後には関係性を続けていきたいという意思を伝える言葉を添えるといいでしょう。
初めに書くべきお礼の文章
・平素より大変お世話になっております
・いつも大変お世話になっております
最後に書くべき文章例
・またの機会がございましたら、何卒よろしくお願いいたします
・業務が落ち着く●月下旬に、改めてご都合をお知らせいただければと存じます
③曖昧な回答ではなく、明確に断る
お断りメールを書く際の3つ目のポイントは、明確に断ることです。断ることに対する謝罪の文章を書けば、配慮して断っていることが相手に伝わるはずです。
謝罪の意味を含む文章例
・せっかくご提案いただきましたのに、大変申し訳ないことでございます
・このような結果になってしまい、申し訳ありません
④断る理由も明記する
お断りのメールを書く際には、明確な回答とともに今回断る理由も明記します。費用や提案内容、日程など、今回お断りする理由を、メール本文に明記すべきです。理由を伝えずに断ると、何故断られたのか原因がわからず、相手からまた同じような営業をされる場合があります。また、相手からすれば、断られた理由が非常に気になるはずです。
断る理由を書く際は「残念ながら〜」「誠に申し訳ありませんが〜」などのクッション言葉を使うと、印象が和らぎます。
断る理由の例文
・残念ながら、費用面で難しく〜
・誠に申し訳ありませんが、経費の面で〜
⑤今後、ご縁があれば関わることがあるかもしれないフレーズを入れる
お断りメールを書く際の5つ目のポイントは、次回があることを相手に想像させることです。今回はお断りしても、即座に付き合いが終了するわけではありません。「今回は」という言葉を入れれば「次回」があることを相手に想像させることができるため、関係性を継続できます。もしかしたら、次回には会社にとって有益な商談が持ち込まれるかもしれません。
大切なのは、相手の気持ちを想像することです。今回断られたことに相手はショックを受けているかも知れませんが、次を想起できるフレーズが入っていれば、次回は頑張ろうと前向きな思いを抱いてくれるはずです。
次回を想起させるフレーズを含む例文
・今回は見送らせていただくこととなりました
・大変申し訳ありませんが、今回はお断りさせていただきます
営業を断るメール例文集
お断りのメールを一からすべて自分で作るのは、慎重にならざるを得ず、気が重いものです。そこでこの項目では、メールの例文を3つ紹介します。営業に対するお断りメールを送る際にぜひ役立ててください。
例文①新規お取引のお断り
【件名】ご紹介いただいた新商品の件について
貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
このたびは新規お取引のお申し込みを頂き、
誠にありがとうございました。
お送りくださいましたご提案について社内で検討した結果、
貴意に沿い難く、残念ではございますが、
今回はご辞退申し上げたく存じます。
事情ご賢察のうえご了承いただきますよう
何卒よろしくお願い申し上げます。
例文②既存取引先からの新規提案のお断り
【件名】ご提案いただいた◯◯の件について
いつも大変お世話になっております。
先日は◯◯の件で提案いただき、誠にありがとうございました。
ご提案を社内で慎重に検討いたしましたが、
誠に恐縮ですが、費用の面で折り合いがつかず、
今回は見送らせていただくこととなりました。
ご提案いただいたこと、厚く御礼申し上げます。
次の機会がございましたら、
どうぞよろしくお願い申し上げます。
取り急ぎご報告申し上げます。
例文③新規取引先からの新サービス提案のお断り
【件名】ご提案いただいた◯◯の件について
平素より大変お世話になっております。
このたびは新規ご提案を誠にありがとうございました。
社内にて慎重に検討を重ねましたが、
現在のところ弊社では人員の不足により対応が難しく、
今回は導入を見送らせて頂くことになりました。
大変恐縮ではございますが、
事情をご賢察のうえご了承くださいますようお願い申し上げます。
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4.営業担当者こそ営業を断るメールを書くコツを押さえておこう!
この記事では、相手を不快にさせずに営業や提案をお断りするメールを書くコツを伝えてきました。
お互いの顔が見えない状態でやりとりするメールだからこそ、相手の立場を想像し、思いやることが一番のポイントだと言えます。その上で、件名と内容に配慮し、意思を明確に伝え、次を想起させるフレーズを入れましょう。相手との良好な関係が築けるお断りメールを書けるよう、ぜひ心がけて下さい。