「セールスイネーブルメントがなぜ今必要とされているんだろう?」
「他の企業の事例も見ておきたいな」
セールスイネーブルメントに興味を示している人の中には、このように考えている人もいるのではないでしょうか。セールスイネーブルメントという単語を聞く機会も増えてきたので、その必要性について気になって仕方ないと思われます。
そこで今回の記事では、セールスイネーブルメントが必要とされている理由について解説します。セールスイネーブルメントで得られるメリット、成功させるポイントや事例も解説しているので、合わせて参考にしてみてください。
セールスイネーブルメントが必要とされている理由
セールスイネーブルメントが必要とされている主な理由は、以下の5つです。
- 営業の属人化防止
- 複雑化する顧客ニーズへの対応
- データドリブンな営業活動の実現
- 組織内の連携強化
- 新たなリードへのアプローチ拡大
それぞれの理由について、チェックしていきましょう。
1.営業の属人化防止
セールスイネーブルメントが注目される背景の1つに、営業活動の属人化防止が挙げられるでしょう。従来の営業は個人の経験やスキルに依存している傾向がありましたが、一方で優秀な営業担当者が退職した際に、売上が大きく落ち込むリスクがあります。
セールスイネーブルメントでは、営業プロセスの標準化や成功ノウハウの共有を通じて、組織全体の営業力を底上げを行うのが目的です。セールスイネーブルメントにしっかり取り組むことで特定の営業パーソンに依存せずとも、安定した営業活動を実現できるようになります。
2.複雑化する顧客ニーズへの対応
近年、顧客ニーズは多様化・複雑化しており、従来の営業手法では対応が難しくなっています。 セールスイネーブルメントでは顧客データの分析を通じて、個々の顧客のニーズを理解した上で対応力を高めることが可能です。
それぞれの顧客に合わせたアプローチを行い、高い顧客満足度と成約率の向上を目指す必要があります。 営業担当者に対する教育やトレーニングを充実させることで、顧客ニーズに柔軟に対応できる人材の育成にも力を入れるのが大切です。
3.データドリブンな営業活動の実現
セールスイネーブルメントでは営業活動に関するデータを収集・分析し、データに基づいた意思決定を重視します。 CRMやSFAなどのツールを使い、客観的な根拠を用いながら営業活動を行うことを重要視するのがポイントです。
データ分析によって効果的な営業施策や、改善すべき点を明らかにすることができます。 近年では顧客のニーズが多様化しているので、主観的な営業ではなくデータを元にした営業が必要です。
4.組織内の連携強化
セールスイネーブルメントでは営業部門だけでなく、マーケティングや製品開発など、他部門との連携強化も重要です。 顧客データや市場情報、意見を部署間で共有し、視野を広める必要があります。
また、営業とマーケティングが協力して、リードの育成を行うことで、効率的な顧客獲得が実現できます。 セールスイネーブルメントを通じて組織全体で連携を高め、さらなる情報収集に努めることが何よりも重要です。
5.新たなリードへのアプローチ拡大
デジタル化の進展により、顧客との接点は多様化しています。 セールスイネーブルメントでオンラインチャネルを活用した新たなリードの獲得や、ナーチャリングに対する理解度を高めることが大切です。
新たなリードへのアプローチ拡大を行うためには、営業部だけではなく他の部署との連携や意見交換も求められます。セールスイネーブルメントを実施すると、より幅広い視野を持って営業活動に当たることが可能です。
セールスイネーブルメントで得られるメリット
セールスイネーブルメントで得られるメリットとして、以下の3つが挙げられます。
- 営業力の底上げ
- 成果の可視化
- さらなる売上のアップ
メリットを把握して、セールスイネーブルメントに対する理解度を深めましょう。
1.営業力の底上げ
セールスイネーブルメントを導入すると、営業組織全体の営業力を底上げできます。データに基づいた、効率的かつ実力のある営業組織づくりが可能です。
具体的には、高いパフォーマンスを発揮している営業担当者のデータを分析し、他の社員にも活かせるトレーニングプログラムを開発・提供します。プログラムによる教育を実施することで、どの社員でもエース社員並みのスキルや知見の習得が可能です。
2.成果の可視化
セールスイネーブルメントでは、 SFAやCRMなどのツールを活用することで、営業プロセスを可視化し、管理できます。管理を徹底することでどの営業担当者がどのような活動を行い、どれだけの成果を出しているのか把握が可能です。
また、トレーニングプログラムの履歴と営業成果を照らし合わせることで、学習の効果検証もできます。 可視化して確認を行うと営業組織の現状を正確に把握できる上に、改善すべき点の明確化が可能です。
3.さらなる売上のアップ
セールスイネーブルメントを導入し、営業力の底上げと成果の可視化を実現することで、最終的には売上のさらなる向上が期待できます。 営業担当者のスキルアップによって、商談の成約率が上がり、1人当たりの売上が増加するでしょう。
効果的なトレーニングプログラムを提供することで、新人の成長を早め、即戦力化を図ることもできます。こうした様々な効果が組み合わさると、企業としてさらなる売上のアップが目指せるでしょう。
セールスイネーブルメントを成功させるポイント
セールスイネーブルメントを成功させるポイントとして、以下が欠かせません。
- ツールを用いた徹底分析
- 専門部署や担当者の配置
- 営業ノウハウの積極的な共有
これらのポイントを押さえた上で、セールスイネーブルメントに取り組みましょう。
1.ツールを用いた徹底分析
セールスイネーブルメントを成功させるためには、SFAをはじめとする各種ツールを効果的に活用することが重要です。ツールの分析によって営業プロセスを可視化し、データを収集・蓄積することで現状の課題や改善点が明らかになります。
ツールを用いた緻密な分析を行うことで、セールスイネーブルメントの取り組みに対して正しい方向性を持たせられます。主観で進めてしまうと、失敗するケースが多いのでツールを用いた分析を必ず行いましょう。
2.専門部署や担当者の配置
セールスイネーブルメントを推進していくためには、専門の部署や担当者を置くと効率的です。 専任の部署や担当者を配置することで、セールスイネーブルメントに注力し、より高度な取り組みを進められます。
また、専門部署を設けることで、組織全体でセールスイネーブルメントの重要性を認識し、推進体制を整えることにもつながるのがメリットです。社内でセールスイネーブルメントを進めるのが楽になるので、専任の部署や担当者の配置を早期に実施しましょう。
3.営業ノウハウの積極的な共有
セールスイネーブルメントにおいては、営業ノウハウの共有が重要なポイントとなります。 ベテラン社員の営業手法やコツなどを組織内で広く共有することで、営業スキルの均質化が可能です。
例えば、商談のロールプレイングを行ったり、ツールを活用して情報を集約したりするなど、さまざまな方法で営業ノウハウの共有を進められます。 営業の属人化を防ぐのは組織を成長させる上で重要なポイントなので、営業ノウハウの共有は優先して行いましょう。
セールスイネーブルメントの導入事例
セールスイネーブルメントの導入事例として、以下の3つを厳選しました。
- 株式会社ベネフィット・ワン
- トランスコスモス株式会社
- SALES ROBOTICS株式会社
それぞれどのような事例なのか、ぜひ参考にしてみてください。
1.株式会社ベネフィット・ワン
ベネフィット・ワンは営業活動の可視化と効率化、クロスセルの推進、育成などの課題を抱えていました。法人顧客数が5,200社、会員数が620万人に達する企業ということもあり、社内での育成を図ろうと考えていました。
解決策としてトップ営業の成功・失敗事例の共有を行い、営業メンバーの戦力を大きく高めることに成功します。事業部全体で前年比360%の受注件数アップを達成しただけではなく、情報共有の徹底や報告業務の効率化により、残業時間を30%減少させることにも成功しました。
2.トランスコスモス株式会社
トランス・コスモス株式会社はIT関連のソリューションを提供する企業で、営業力の向上を課題としていました。同社は取り扱う商材が多岐にわたるため、営業担当者の教育が急務でした。
問題を解決するため、トランス・コスモス株式会社はセールスイネーブルメントツールの導入を決定しました。動画を活用した自社サービスの教育環境が整備され、営業部隊の育成がより効率的になり、ノウハウの社内共有も行われるようになったのです。
効率的な学習を推し進めた結果、同社の抱えていた課題は解決され、さらなる営業売上のアップにつながりました。
3.SALES ROBOTICS株式会社
SALES ROBOTICS株式会社は、インサイドセールスの分野で多くの企業をサポートしてきた実績を持っている会社です。同社は営業力のさらなる強化を目指し、セールスイネーブルメントに取り組みました。
自社コンテンツとインサイドセールスの営業活動を効率化するため、同社ではツールの導入を行っています。ツールの導入で課題の可視化と改善に取り組むことが可能となり、指導の効率化を実現しました。
その結果、コア業務に注力できる環境が整い、事業推進を実現するに至りました。
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