営業がプレゼンや商談で使用する資料は、商談の行方を大きく左右します。資料は顧客の手元に残りますし、プレゼンや商談時に提示される資料の内容や体裁を見て、商品やサービスを使用するかどうか決める人は一定数います。
とはいえ、営業担当者の全員が、パワーポイントを使った資料作成が得意なわけではありません。こうした事務的な作業にかかる手間と時間を削減し、営業の本来の業務である顧客対応に充てたほうが、成果は上がりやすくなります。
この記事では、営業担当者が資料作成コストを削減する方法として、資料作成サポートの種類や費用の目安などについて解説します。資料作成をサポートするツールも紹介します。
1.資料作成のサポート種類と費用の目安
プレゼンに欠かせない資料の多くが、パワーポイントを使って作成したものです。プレゼン資料を資料作成サポートに依頼すると、効果的かつ充実したプレゼン資料を作成できます。
この項目では、資料作成にについて、どのようなサポートがあるのかについて解説します。プレゼン資料の作成にかかる費用の目安についても紹介します。
営業プレゼン資料作成
プレゼンで使用する資料に動きや音を入れて作成すると、クライアントからの注目を集めやすいです。ところが、パワーポイントの操作になれていないと、資料の作成に思っていた以上に時間がかかったり、記憶に残るような効果的なプレゼン資料が作れなかったりします。
こうした工夫が必要な営業プレゼン資料を資料作成サポートに依頼すると、充実したプレゼン資料に仕上がります。プレゼン資料の意図に合わせてデザインやレイアウトを作るサービスや元々自社で持っている資料のデザインをブラッシュアップするサービス、プレゼンの内容についてのヒアリングを元にゼロから資料を作成するサービスなど、サービスの内容はさまざまです。
営業プレゼン資料の作成にかかる費用は、作成する資料の内容やボリュームによって増減します。デザインやレイアウトを作成するサービスの場合の費用は、1資料につき4,000〜5,000円程度が相場と考えていいでしょう。
営業マニュアル作成
これまで活躍してきた営業担当者のノウハウを活かして作成する営業マニュアルは、会社の営業活動をよりよいものにするのに必須です。成約に向けて必要な会話術や商品知識は経験を積んでようやく身につくものですが、時間がかかります。
そこで役立つのが、ベテランの営業担当者のノウハウをまとめた営業マニュアルです。営業職は属人化しがちであると言われますが、マニュアルがあれば、ベテランのノウハウを経験の少ない営業担当者にわかりやすく伝えられ、比較的短期間で即戦力に育てることができます。営業マニュアル自体が、会社の資産にもなります。
営業マニュアルの作成は、次のようなステップを踏んで作られます。
1.営業マニュアル作成の目的の明確化
2.マニュアルの適用範囲と作成スケジュールの決定
3.記載内容のピックアップと整理
4.実際にマニュアルを作成する
5.運用・効果測定
6.必要に応じて修正する
社内でこうした手順を踏んでマニュアルを作成するには専属の担当者が必要ですから、時間もコストもかかります。営業マニュアルの作成サービスを専門とする会社に依頼すれば、こうしたコストを軽減できます。
営業マニュアルの作成にかかる費用は、初期費用として20万円ほど。営業マニュアルの閲覧人数や編集可能人数によってトータルの金額が増減します。
営業データ入力と資料作成
営業担当者や営業チームの進捗や実績などを数値化しデータを共有することは、部署内や部門間での会話をスムーズにします。具体的な数字を営業部門のみならず関連するあらゆる部門と共有することで、誰とでも同じ尺度でコミュニケーションを取れるようになるからです。
営業データが可視化されると、チームでの会議やマネージャー会議、経営会議等の会議がスムーズに進むようになり、会議コストを減らすことができます。
資料作成サポートのうちデータの入力のみを外注する場合の費用は、文字単価を元に算出されます。単純なデータ入力の場合、一文字あたりの単価の目安は0.5円前後です。A4サイズで一行40文字×38行の場合、1枚あたり760円となります。
企画書作成
企画書の作成は、プレゼン資料同様パワーポイントが使われます。プレゼン資料同様、動きや音を入れて制作すれば担当者の目を引き、注目度が高まります。企画書作成の費用の目安も、プレゼン資料同様、作成する企画書の内容やボリュームによって増減します。デザインやレイアウトを作成するサービスの場合、1につき4,000〜5,000円程度が相場と考えていいでしょう。
併せて営業資料のデザインも依頼する場合の費用の目安は、1ページ数万円、8ページほどなら20〜30万円程度。依頼した営業資料をパンフレットやカタログ化する場合、別途デザイン量と印刷量がかかります。印刷を依頼する場合、印刷部数によって料金が異なりますので、想定している必要部数とその前後の部数で印刷料金の見積もりを取るのがおすすめです。
2.営業資料作成を外注するメリット・デメリット
営業資料を外注することには、3つのメリットと2つのデメリットがあります。ここではそれぞれについて説明します。
メリット:営業活動業務に時間を集中できる
営業担当者をコア業務に集中させるために、資料作りは資料作成サポートに外注すると効率がいいです。営業担当者自身が資料を作る手間がなくなり営業に集中できるため、売上向上に役立ちます。
メリット:目的に合う訴求性の高い資料が完成する
営業資料作成をプロに依頼する2つめのメリットは、デザイン性が高く、訴求力のある営業資料に仕上がることです。特に会社案内のような会社の顔となる営業資料は、社内に優秀なデザイナーがいない限り、外注するのがおすすめです。商談の第一印象を左右するプレゼン資料も同様です。
営業資料を社内で制作すると、情報を詰め込み過ぎ、デザインの統一性のなさ、ストーリーがつながらない、専門的過ぎて同じ業界以外の人に伝わりにくいといった問題が起こりがちです。製品やサービスを説明したいけれどうまくまとめられないという場合も、整理する段階から依頼できます。
営業担当者が資料を作成する場合、制作者によってフォントや配色が異なり、同じ会社のプレゼン資料なのに別の会社の資料のように感じられることもあります。
このような問題は、プロに依頼すれば概ね解決できます。目的に合う構成・デザインの資料に仕上がり、訴求性が高まります。
メリット:自分で作るより、ミスを少なくできる
営業資料を外注すると、自社で作成するよりもミスが少なくなります。自社ですべて作成しようとするとチェックが甘くなり、数字や文法に間違いが生じがちですが、外注すれば、自社と外注先とでダブルチェックでき、違う視点で確認できるため、ミス発生のリスクを減らせます。
デメリット:資料作成にコストがかかる
営業資料を外注する場合、当然ながら外注工賃が発生します。営業担当者が制作すれば外注工賃は発生しませんが、外注すればその分、営業担当者が営業に注力する時間が増え、売上がアップする可能性が広がります。長期的には、資料作成を外注したほうが会社にとって大きな利益になるかもしれません。
外注する際の価格は、会社によって異なります。気になる複数の会社に連絡しどのような資料を作成したいのか、目的やゴールを理解し、1つの作品として仕上げられる業者を選ぶべきです。会社によっては明確な料金プランがない場合があるので、追加料金発生のようなトラブル発生を防ぐためにも料金プランの有無や見積もりに含まれる工程の確認はしっかりするのがおすすめです。
デメリット:コミュニケーションや確認作業に時間がかかる
営業資料の作成を外注する場合、外注先の担当者に制作意図を伝えるなどの打合せが必須です。会社の実績や特徴のほか、事業によっては製品やサービスの詳細な説明からスタートしなければならず、コミュニケーションに時間がかかります。ただし、最初にしっかりとコミュニケーションを深められれば、会社の思いや考えを的確に伝えられる資料に仕上がるのは、プロの仕事と言えるでしょう。
初回の依頼では、どのように仕上がるのか想定できません。完成品をアレンジするのではなくイチから作っていくため、どのような成果物となるのかわからないのはごく当たり前のことです。
制作過程では校正・校閲を含めた確認作業を何度か重ねます。そういったときの対応スピードに時間がかかるのが、2つめのデメリットです。ちょっとの修正なのに丸1日かかる、メールやチャットの返信が遅いというようなことは少なくありません。
営業に使う資料作成を外注する際には、スケジュールに余裕を持って依頼すべきです。
3.営業資料作成を効率よく行い、成果を最大化するには?
営業資料作成を効率よく作成し成果を最大化するには、どのようにすればいいのでしょうか。ここでは、効率よくするためのポイントについて解説します。
営業以外の活動をいかに効率よく行うかがポイント
営業担当者の本来の仕事は営業活動です。営業資料や提案書、見積作成のなどの書類作成のような営業以外の活動をいかに効率よく行うかが成果を最大化するポイントです。
資料作成時間や費用を削除して、顧客対応を中心に活動する
提案時期が集中していたり、資料作成が得意な人に業務が集中していたり、資料作成のための社内のリソースが足りていないということがよくあります。そのような状況下で緊急の資料作成業務が発生した場合、本来は顧客対応に割くべき時間を資料作成時間に充てなければならなくなります。
資料作成業務を外注すれば、本来注力すべき顧客対応により多くの時間を割けます。大切なコンペがすぐ間近なのに資料の前段しかできていない、デザインが整っていないというようなことがなくなり、商談やプレゼンの準備に集中できるようようなるため、成果は徐々に最大化していきます。
営業活動をサポートしてくれるツールの導入
営業活動を効率化に役立つには、営業資料の作成を外注するだけではありません。営業活動そのものをサポートしてくれるツールを導入すれば、営業活動の効率がグッと高まります。
営業活動をサポートするツールの1つに、営業支援システムであるSFAがあります。SFAは、営業部の情報や業務を分析して効率化を図り、ボトルネックの発見につなげることができます。企画書や提案書、見積書の作成やスケジュール管理のような定型業務を自動化できるため、資料作成時間や事務作業にかかる工数を大幅に削減できます。
SFAの導入や運用にはコストがかかりますが、資料作成以外にもさまざまな機能があり、営業活動の効率化を目指す企業には大きなメリットがあると言えます。
4.営業効率化におすすめのツール
ここでは、営業効率化におすすめのSFAツールを4つ、ピックアップして紹介します。SFAツールヲ選ぶ際には自社の事業、商材やサービスに最適なものを選ぶのがおすすめです。
Pipedrive
Merが提供するpipedriveは、エストニア発のCRM/SFAツールです。営業担当者が営業担当者のために作ったツールで、世界中で9.5万社以上が導入しています。
リードや案件の管理、顧客とのやりとりの追跡、タスクの自動化、分析とレポート機能など、営業活動を支援する機能を搭載し、CRM/SFAの導入と活用にかかる導入コスト・学習コスト・運用コスト・カスタマイズコストを削減し、生産性を向上させます。繰り返しのタスクも、トリガーとアクションさえ設定すれば自動化できます。
自動化による業務効率アップはpipedriveが得意な分野です。導入前は手作業で時間がかかっていた部分について、どの機能を使えばよいのか、pipelineが教えてくれます。
リード獲得機能の充実もpipedriveの特徴です。
pipedriveでは、同期した連絡先を元にリードを事前に審査し情報を引き出すため、アプローチ前の対策もバッチリです。商談前の資料作成にかかる時間の削減にもつながります。
Senses
Sensesは、ドラッグ&ドロップの直感的な操作で案件管理できるCRM/SFAツールです。Sensesの導入後15ヶ月での平均売上成長率は39%、営業の管理にかかる時間を30%削減するなどの実績があり、導入した企業のサービス利用継続率は98%を誇ります(2018年8月実績)。
営業実績を集計し、積み上げた実績や予測を元に、取引先の業界チャネル、商品やサービスの構成要素を根拠として提示し、最良のチャネルやボトルネックを予測します。
グループウェアはもちろん、既存のメールやカレンダー、名刺管理ツール、チャットツールとも連携でき、コミュニケーションをスピーディに獲れるのも魅力です。
eセールスマネージャー
eセールスマネージャーは、ソフトブレーングループが提供する純国産のSFAです。案件管理、商談管理などの営業活動支援機能と、顧客に紐付いた情報の管理、申請や承認などのワークフローをサポートします。
eセールスマネージャーはシングルインプット・マルチアウトプットが可能です。通常、案件や顧客の情報、スケジュールについてそれぞれ入力が必要ですが、いずれかの項目を一度入力すれば、紐付いたすべての項目に反映されます。入力の負荷が少なく、時間と手間を削減できます。
純国産のシステムですから日本企業の営業スタイルに特化しています。人脈機能を使えば名刺の情報を元に繋がりを把握でき、地図機能を使ってエリアを指定すればターゲットを見つけられます。
SATORI
SATORIは新規顧客開拓を自動化するツールです。Webサイト上のコンバージョンを促してリードの購買意欲を高めるという方法を採用し、自動的なアプローチが可能です。メールアドレスのない匿名訪問者を正確に把握し、メール以外での接点を確保してリードの育成を実現します。
SATORIの機能は主に「知る」「分析する」「伝える」の3つです。サイト訪問者がどの広告をクリックしどのコンテンツを閲覧したのか、そして、メールの開封状況がわかります。ユーザーの興味や確度と、自社のマーケティングの成功パターンを分析し、セグメントごとのメール送信やディスプレイ広告の配信などを実行します。
4.まとめ
営業担当者が資料作成などに割いている時間に営業活動に集中できれば、営業部全体の成果は上がっていくはずです。そのためには、資料作成のような事務作業を効率化していくことが重要です。
営業資料の作成を外注することはもちろん、細かな事務作業を自動化できるSFAツールを導入すれば、営業の効率化や自動化はもちろん、営業活動を可視化でき、資料作成コスト、会議コスト、部門間共有コスト、個客情報管理コストと、さまざまなコスト削減に効果的です。
Merが提供するpipedriveは、エストニア発のCRM/SFAツールです。世界中の95,000社が導入し、高い評価を得ています。カスタマイズ性が高く、zoomやSlack、G suiteをはじめとした150種類以上のアプリと連携でき、自社の用途合わせたカスタマイズが可能です。