2020年以降、非対面での営業活動が増えており、インサイドセールスが一般的になっています。それに伴い、顧客と対面で営業活動を行うフィールドセールスのスタイルが変化してきています。また、フィールドセールスとインサイドセールスそれぞれの立場と役割の明確化とスムーズな業務フローを確立することが求められています。
この記事では、フィールドセールスの役割、これまでのフィールドセールスとの違い、フィールドセールスを活用し成果を最大現にするポイントを紹介します。
1.フィールドセールスとは
フィールドセールスとは、見込み顧客(リード)への商談やクロージングアプローチ以降を担当する営業担当者のことを指します。
元々は、フィールドセールスは、顧客を訪問し対面での営業活動をする営業担当者を指す言葉でしたが、近年ではフィールドセールスのあり方が変わってきています。
フィールドセールスの役割
フィールドセールスは、リードを受注へつなぐ役割を担います。フィールドセールスが担当するリードは、マーケティング部門が獲得してインサイドセールスが育成しており、複数の部門が関わり確度が高まっています。フィールドセールスは、売上に直結する重要なポジションを担っていると言えるでしょう。
企業によってはインサイドセールス部門を設置していないこともあります。この場合、マーケティング部門からフィールドセールスが受け取ったリードを直接育成し、受注につなげます。
今までの営業との違い
2020年以降、新型コロナウィルスの影響によって企業間での訪問が自粛される流れが生じ、飛び込み営業が難しくなりました。そのため、リードとはメールやDM、テレアポでファーストコンタクトを取るケースが増えており、テレアポ担当者やマーケティング担当者、インサイドセールスが新規開拓営業を実行することが多くなっています。
このように、アフターコロナでは、営業組織によってフィールドセールスのあり方が多様化してきており、自社の営業組織におけるフィールドセールスの役割を定義する必要があると言えます。
インサイドセールスとの違い
インサイドセールスとフィールドセールスの最も大きな違いは、非対面でのやりとりで完結できるかどうかです。インサイドセールスは訪問のための移動時間がないため、業務の効率がいいのが特徴です。
フィールドセールスは、訪問型営業です。リードを直接訪問して商談します。インサイドセールスは、顧客を直接訪問しない営業です。顧客とは、電話やメール、Web会議ツールなどを利用してやりとりします。
インサイドセールスでは、MA(マーケティングオートメーション)やCRM(顧客管理)などのマーケティングツールを活用します。スコアを元に今アプローチすべき顧客の優先度を判断するため、インサイドセールスが実施するアクションの効果が高まります。
特に、SaaS系企業やBtoBサービスを扱っている企業は、インサイドセールスを試してみるといいでしょう。SaaS系の商材は非対面でも商品を体験できるため、インサイドセールスが効率的です。
一方のBtoBサービスは、決済フローが多いため必然的にナーチャリングの工数が多くなります。担当者レベルはもちろん、決裁者を含めた打合せも必要なため、フィールドセールスでは予想以上に多くの時間がかかることがあります。こうした場合、検討の度合いが低い顧客をインサイドセールスが担当すると、稼働時間を少なく効率的な営業活動ができるのでおすすめです。
また、営業組織の管理と教育を徹底したい企業も、インサイドセールスを試してみるといいでしょう。
フィールドセールスの特徴
フィールドセールスは顧客を訪問するため、顧客と直接対話できるのが特徴です。顧客の要望や課題をしっかりと理解し、時に説得しながら商談を進められるため、顧客の意向に添った提案がしやすいです。
また、フィールドセールスでは、リードへのアプローチから受注までの営業プロセスを同じ営業担当者が進めていきます。信頼関係を築ければ、中長期的な取引が実現する可能性が高いです。
2.フィールドセールスのメリット
フィールドセールスには大きく3つのメリットがあります。この項目ではそれぞれについて具体的に見ていきます。
① 商品の魅力がより伝えられる
フィールドセールスは対面で商談を行うため、商品やサービスの情報をより多く伝えられるため、魅力を伝えやすいです。実際に商品サンプルを手に取ってもらったり、アプリやシステムならデモを見せたり目の前で操作をしたり、インサイドセールスよりも多くの情報を伝えることができます。
②顧客の状況に合わせて柔軟に提案ができる
対面で商談を進めていくフィールドセールスでは、相手の出方に合わせた柔軟な対応をしやすいです。反応がよくないと感じれば別の切り口から話題を展開したり、自社のほかの商材を勧めたりしやすいです。
③顧客の表情や感情を把握でき、温度感が理解できる
フィールドセールスでは顧客の表情や反応を間近で見ることができるため、顧客の表情や感情を把握し、温度感を理解できます。Web会議ツールなどでの商談でも相手の反応を知ることはできますが、オフラインで対面したほうが表情や空気感の変化がわかりやすく、状況に応じた柔軟に商談を進められます。
3.フィールドセールスのデメリット
フィールドセールスにはインサイドセールスにはないメリットがありますが、一方でデメリットもあります。
顧客の訪問等で時間とコストがかかる
フィールドセールスでは顧客を訪問するため、交通費や出張費といった営業コストが必須です。また、顧客の検討度合いや確度を考慮せずにフィールドセールスのみで対応すると、確度の高いホットリードへの対応が後手に回り、商談の機会ロスが生じる可能性があります。
4.フィールドセールスを活用して成果を最大限にする5つのポイント
フィールドセールスを活用すれば、顧客から信頼を得て中長期的な取り引きにつながる可能性があります。そのためには、フィールドセールスをどのように活用すればよいのでしょうか?
この項目では、フィールドセールスによって成果を最大限にするポイントを5つ紹介します。
①インサイドセールスとの両軸
フィールドセールスとインサイドセールスを連携し、両軸で進めていくことで、成果を最大化することができます。連携する際のポイントは、フィールドセールスとインサイドセールスそれぞれが担当する領域を明確にすることです。
リードの数は多いけれど商談まで至っていない場合、インサイドセールスがナーチャリングまでを担当しホットリードの創出に力を入れるといいでしょう。
広告やコンサルサービスのような事業の場合、契約後にする提案にも質の高さが求められます。このような場合は、案件化までをインサイドセールスが担当し、その後、フィールドセールスが担当するというスタイルが望ましいです。
このように、扱う商品やサービス、組織のスタイルによって、理想型は異なります。自社に最もフィットするのはどのような形なのかを部署間で話し合い、決めるといいでしょう。
②営業プロセスの可視化と明確化
営業プロセスにおける各フローの役割を明確化します。マーケティング部門やカスタマーサクセスの担当者がいる場合には、彼らを含めた顧客対応フローを作成します。顧客に対して複数の人が関わると、誰がいつどのような状況の時にどのような対応をすべきか、迷ってしまうことがあるからです。
リード化する前から案件化した後まで、営業プロセスの全てのフェーズで、どの部署のどの担当者がどのようなサポートを実施するのか、部署間で共有しておきましょう。
③顧客情報を含めた営業活動の情報共有
フィールドセールスはもちろん、インサイドセールスとの間でも情報共有は必須です。特に、インサイドセールスからフィールドセールスへ、リードを引き継ぐ際には、これまでのやりとりを時系列で明確に伝えることが重要です。これによりフィールドセールスは、顧客が求める情報を受け取ることができるからです。
情報共有が万全になされていないと、担当者が変わった途端「話が違う」とクレームになることがあります。最悪の場合には失注となる事態に陥る可能性も否めません。そうしたことを防ぐため、顧客情報は一元管理すべきです。業務が円滑に進むうえ、顧客満足度の向上につながりやすくなるからです。
④組織体制の強化
フィールドセールスとインサイドセールスそれぞれの強みを十分に理解し、業務の割り振りを行いましょう。メンバーの再配置によって、フィールドセールスがより効果的な営業スタイルを実現できます。
また、営業組織は、体質改善が常に求められます。コスト削減を意識しながら業務効率化を実施し、費用対効果を高めることが重要です。営業の効率化は、営業組織の体質改善の第一歩となります。そのためには、営業プロセスに関わるすべての部門において適正な人材を選びアサインすることが重要です。
⑤ITツールに活用
フィールドセールスとインサイドセールスが連携して成果をあげるには、リアルタイムで情報共有できるSFA(営業支援)やCRMなどのITツールを活用すべきです。顧客情報を管理する際にITツールを活用すると、入力漏れなどの人為的なミスによる情報の伝達漏れを避けることにつながります。MAなどのマーケティングツールを使用する場合、CRMと連携できるものを選ぶと効果的です。
情報共有を万全にすることによって、フィールドセールスとインサイドセールスそれぞれの担当者が本来のパフォーマンスを発揮でき、営業部門全体にとって大きなプラスとなるはずです。
5.営業部門の革新を進めより効果的な営業スタイルを確立しよう
フィールドセールスとインサイドセールスとを組み合わせることによって、フィールドセールスは従来の営業の枠を超えて、より効果的な営業スタイルを実現できるでしょう。自社の営業部門の革新が必要ならば、 自社の営業スタイルに最適なITツールの活用を含め、営業部門の革新を検討することをおすすめします。
CRM(顧客管理)とSFA(営業支援)の両方の機能を持つITツールの1つに、Merが提供するpipedriveがあります。リードや案件の管理、顧客とのやりとりの追跡、タスクの自動化、分析とレポート機能など、顧客管理と営業活動を支援するための機能を数多く搭載しています。
商談の進み具合や商談結果を可視化でき、データを整理して管理しやすいため、失注の削減につながります。顧客とのやりとりをパイプラインで確認できるため、インサイドセールスからフィールドセールスへの引継ぎも容易です。
モバイルアプリもあり、タスクのチェックや案件確認、更新などの必要な操作をどこにいても行えます。また、メールやカレンダーなど、今使っているグループウェアと双方向同期できるため、入力の負担を軽減できます。
pipedriveには4プランあります。どのプランも初期費用0円、年間払いの場合、月額1,500〜6,000円/1ユーザーで利用できます。14日間のフリートライアル期間を設けており、使いやすさを確認してから導入できます。