営業活動で活用する顧客情報は、小規模であればエクセルでも管理でき、無料テンプレートを活用することですぐにでも導入できます。
ただし、エクセルで顧客管理をするためには注意点が複数あるため事前に把握しておきましょう。
本記事では、顧客管理ができるエクセルのテンプレートを3つ紹介します。顧客管理をエクセルで行うメリットやデメリットについても解説するので、参考にしてください。
顧客管理ができるエクセルのテンプレート3選【無料】
顧客管理ができるエクセルのテンプレートとしては、次の3つが挙げられます。
1.Microsoftの顧客管理表テンプレート
Microsoftが無料で提供しているエクセルのテンプレートであり、所在地や電話番号など顧客情報の一元管理が可能です。
情報が網羅的かつ見やすい基本的な形式のテンプレートであるため、情報をまとめたいだけの場合に活用をおすすめします。
2.文書の顧客管理表テンプレート
文書の顧客管理表テンプレートは、シンプルさと視認性の良さが特徴的です。さまざまな形式のテンプレートがあり、自社用にカスタマイズ可能であるため、使い勝手が良いテンプレートと言えます。
3.ビズ研の顧客管理表テンプレート
仕事で使える書式を無料で提供するビズ研のエクセルのテンプレートです。縦向きや横向き、視認性など、さまざまな種類のテンプレートからひとつを選べるため、自社にぴったりなものを見つけられます。
形式はシンプルなものが多く、導入後はすぐに活用でき、必要によっては自社用にカスタマイズが可能です。
エクセルのテンプレートで使える基本機能
エクセルのテンプレートで使える基本機能としては、次のものが挙げられます。
- フォーム機能
- スライサー機能
- ウィンドウ枠の固定機能
1.フォーム機能
フォーム機能とは、データ入力の効率性を高める機能です。入力ミスや情報漏れを防げるため、正確な情報管理が可能となります。
ただし、フォームを作成する際は、どのような情報を入力するかを明確化し、その情報に対応したフォームを設計する必要があります。顧客の氏名、住所、連絡先などの必要情報を入力するフォームを作成する場合、それぞれの項目に対応した入力欄を設けることも大切です。
また、フォーム機能を活用する際は、セキュリティにも重視しましょう。不正アクセスや情報漏洩のリスクが最小限に抑えられるよう、適切なセキュリティ対策が重要です。
2.スライサー機能
スライサー機能とは、情報を視覚的にフィルタリングし、特定の条件に一致する情報のみを表示させる機能です。
特定の条件に一致するデータのみを簡単に表示できるため、顧客情報の効率的な管理や分析が可能となります。
3.ウィンドウ枠の固定機能
ウィンドウ枠の固定機能とは、大量のデータを扱う場合に、画面上で見出し行や列を固定することで、スクロールしても常に固定した情報を見えるようにする機能です。
情報どうしの比較をする際に役立ち、分析を効果的に行えます。
顧客管理をエクセルで行うメリット
顧客管理をエクセルで行うメリットは次の通りです。
- コストがかからない
- 導入に手間がかからない
- 自社用にカスタマイズできる
1.コストがかからない
エクセルは多くの企業や個人が利用するツールであり、無料で利用できるため、コストをかけずに顧客管理を実施できます。
エクセルでは、データの入力や編集、分析などの基本的な機能を利用でき、レポートやグラフの作成など、顧客データを統合する機能も活用できます。
さまざまな機能の利用により、顧客情報を整理・分析することで、重要なインサイトを把握できます。
また、エクセルは柔軟性が高いため、自社のニーズや要件に合わせてカスタマイズが可能です。列や行を追加することで、特定のデータや情報をフィルター・ソート機能を通して、いつでも確認できる状態にカスタマイズできます。
2.導入に手間がかからない
導入に特別な訓練や専門知識は必要ないため、ダウンロードすれば手間なくすぐに利用できます。
ダウンロード時からデータ入力や編集、数式、関数などの基本的な機能を活用でき、豊富なテンプレートも提供されているため、すぐにでも実践で顧客管理が可能です。
必要な場合はカスタマイズを行うことで、利便性の向上も期待できます。
3.自社用にカスタマイズできる
エクセルは柔軟性が高く、企業のニーズや要件に合わせてカスタマイズできるため、業務フローに適した形で活用できます。
列や行を自由に追加・削除したり、フォーマットを変更したりできます。
また、関数や数式を利用してデータの自動計算や、フィルターやソート機能を通して必要な情報をいつでも引き出せるようにカスタマイズ可能です。
顧客管理をエクセルで行うデメリット
顧客管理をエクセルで行う際のデメリットは次の通りです。
- 大量のデータは扱いづらい
- 情報の共有がしづらい
- スマホで利用しづらい
1.大量のデータは扱いづらい
エクセルは小規模なデータや簡単な計算には適しているツールであり、大量のデータを扱いう、複雑な計算を行うといった場合には不向きである点がデメリットです。
エクセルは大量のデータを扱うとパフォーマンスが低下し、処理速度が遅くなる傾向があります。
特に数万行以上のデータを処理する、大量で複雑な関数を含む場合に、データの読み込みや更新が遅くなり、作業効率が低下します。大規模なデータを活用する場合は、専門のツールやソフトウェアの利用が必要です。
2.情報の共有がしづらい
エクセルにおけるデータは、個別のファイルとして保存されることが一般的であり、従業員全員が同じファイルを同時に編集したり、アクセスしたりすることが困難です。
情報の共有や更新が滞ることがあり、チーム全体の効率が低下する可能性があるため注意しましょう。
また、エクセルでデータを共有する際は、ファイルをメールで送信するか、共有ドライブに保存するかなどの方法が一般的です。
しかし、ファイルのバージョン管理や同時編集が難しく、情報の整合性が確保しにくいという問題があるため注意が必要です。
3.スマホで利用しづらい
エクセルは主にデスクトップで利用されるツールであり、スマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスでは使用が制限される傾向があります。
特に複雑で大量のデータを操作する際は、操作性や利便性に欠けます。
また、複数のシートや複雑な数式、グラフなどを含む場合には、スマートフォンの限られた画面サイズや処理能力では、情報を正しく表示したり操作したりすることが難しいため注意が必要です。
顧客管理ができるエクセルのテンプレートの導入手順
顧客管理ができるエクセルのテンプレートの導入手順は次の通りです。
- 必要な機能や項目を洗い出す
- フォーマットを決定する
- 顧客データを入力する
1.必要な機能や項目を洗い出す
まずは、必要な機能や項目の洗い出しです。顧客管理に適したエクセルのテンプレートを導入するために重要な段階であり、顧客の基本情報や購買履歴、問い合わせ履歴、営業担当者の情報なども洗い出しましょう。
2.フォーマットを決定する
顧客管理ではデータの整理や閲覧のしやすさ、データ解析のしやすさが重要であるため、企業のニーズや業務フローに適したフォーマットを選定することが必要です。
フォーマットを決定する際は、顧客情報の種類や量、列や行の配置を把握し、検討する必要があります。顧客の基本情報から購買履歴、連絡先まで、必要な情報を見やすいものを選びましょう。
また、将来の拡張性や柔軟性も考慮することが重要です。業務内容や規模は変化し続けるため、柔軟に対応できるよう新しい項目や機能を容易に追加できるような設計にすることが大切です。
3.顧客データを入力する
最後に、顧客データの入力です。顧客データをもとに施策や戦略を考える場合は、間違った情報をもとに意味のない取り組みを避けるために、データの入力を慎重に行う必要があります。
氏名や住所といった基本情報や、購買・連絡履歴など、各項目に対する入力のルールを明確に定めることで、データの一貫性を確保できます。
顧客管理をエクセルで行う際の注意点
顧客管理をエクセルで行う際の注意点は次の通りです。
- 導入目的を社内に浸透させる
- 運用ルールを定める
- セキュリティ対策を強化する
1.導入目的を社内に浸透させる
組織内の効率化や情報共有を促進するためには、導入目的に対する従業員からの理解が必要です。
まずは、従業員に顧客情報の一元化や効率的なデータ管理、迅速な情報アクセスといった導入目的を明確に定義し、共有しましょう。
また、導入目的に沿った適切な研修や教育を行うことも重要です。基本的な操作方法やデータ入力の規則、共有方法などを理解してもらいましょう。
2.運用ルールを定める
組織全体でエクセルを適切に活用するために、運用ルールを決めることが大切です。
効率的なデータ管理や情報共有の実現に向けて、データ入力や編集方法、フォーマット、命名規則などを具体的に決定し、マニュアル化しましょう。
運用ルールに沿った取り組みを進めていけば、データの入力のミスやトラブルの発生を防げます。
3.セキュリティ対策を強化する
個人情報や機密性の高いデータを取り扱う場合、情報漏れを防ぐためにセキュリティ対策を強化することが重要です。パスワードを設定する、アクセス権を制御するなどの対策を取ることで、データの漏洩や不正なアクセスを防ぐことができます。
また、データのバックアップもセキュリティ対策として必要な取り組みです。定期的なバックアップにより、データの紛失や破損に備えられ、不正なアクセスからデータを保護できます。
顧客管理を効率化したいならPipedriveがおすすめ
エクセルのテンプレートを活用すれば、すぐにでも顧客情報を詳細に管理できるようになります。ただし、大容量のデータに対応していない、セキュリティ対策が必要であるなどに注意が必要です。
顧客管理の効率化を課題に感じているのであれば、Pipedriveの活用をおすすめします。営業担当者の進捗や顧客情報の管理をスムーズにでき、大量のデータ管理にも対応しています。
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