セールスフォースとは?CRMの基本機能と選び方を解説

セールスフォースとは?CRMの基本機能と選び方を解説

CRM(顧客管理システム)と聞いて、Salesforce(セールスフォース)を思い浮かべる人は少なくありません。この記事では、セールスフォースとCRMの概要、CRMの選び方やCRMの導入によって得られる効果について解説します。

Salesforce(セールスフォース)とは

セールスフォースは、セールスフォース社が提供するクラウド型CRMです。SalesCloudがCRMの正式名称です。セールスフォースの特徴は以下の通りです。

  • 各領域に役立つ機能が豊富
  • カスタマイズ性が高い
  • 営業に役立つ様々なソリューションも提供

Salesforce(セールスフォース)の料金

料金は、プランによって異なります。2023年10月現在、最も良く利用されている「Enterprise」が1ユーザーあたり月額19,800円(税抜・年間契約)です。1ユーザーあたり月額3,000円(税抜・年間契約)の「Starter」プランもあります。

CRMとは

CRMとは「Customer Relationship Management」の略で、直訳すると「顧客関係管理」です。CRMツールは、見込み顧客や既存顧客などに関する情報やコンタクト履歴、商談履歴などを自動的に取り込み、一元管理する顧客関係管理システムのことです。

CRMを使用する目的

CRMを使用する目的は、顧客満足度を高め、LTV(顧客生涯価値)の最大化を図ることにあります。そのためにCRMツールを活用し、顧客との関係性の構築とコミュニケーションの管理、そして、顧客と自社の従業員との関係を把握します。

CRMとMA、SFAの違い

CRMに似たツールに、MA、SFAがあります。この項目では、CRM、MA、SFAそれぞれの使用目的を明確にすることで、どう違うのかを解説します。

CRMは顧客との関係性を構築する

CRMにおける顧客情報管理は、自社と顧客との関係性に軸を置いており、顧客とのコミュニケーションを軸に情報を管理します。CRMで管理する顧客情報を活用することにより、顧客満足度を高めることにつながり、結果としてクロスセルやアップセルを見込めます。

MAは効果的なマーケティングを実現する

MAは、マーケティング活動のサポートが得意なツールです。リードの管理やスコアリング、分析レポートなどの機能を備えています。トラッキングデータと自動メール配信機能の活用によって相手が欲しい情報をタイミングよく提供し、自社の商品・サービスに対する関心をかきたてるというような、リードナーチャリングの効率化に役立ちます。

SFAは営業活動の効率化につながる

SFAは顧客との商談・案件を軸として顧客情報管理を行います。SFAには、顧客情報や営業活動の進捗の一元管理、営業メンバーの行動管理、売上管理・予測などの機能を備え、活用により営業活動の効率化を図ります。

CRMの基本的な機能

この項目では、CRMの基本的な7つの機能について紹介します。

  • 顧客情報管理
  • 商談管理
  • 営業活動管理
  • 問い合わせ管理
  • データ分析機能
  • リード抽出機能
  • 配信機能

顧客情報管理

顧客情報管理では、顧客の基本情報のほか、取引・商談の履歴とその内容などを管理します。管理したい項目を追加するなど、カスタマイズも可能です。

商談管理

商談管理機能では、商談内容、商談の進捗状況、受注確度など、案件に関する情報を管理します。見積書などの書類作成機能を持つツールもあります。商談管理機能は、CRMのメインとも言える機能で、営業活動の分析に役立ちます。失注した案件を抽出して分析すれば、営業プロセスの改善につながります。

営業活動管理

営業活動管理とは、顧客とのやりとりを記録・管理する機能です。訪問や資料の送付、情報提供などの情報のほか、顧客からの依頼や要望などの情報を管理します。

問い合わせ管理

顧客からの問い合わせ内容を保存・蓄積する機能です。回答漏れや二重対応を防ぐだけではなく、よくある問い合わせをFAQとしてまとめておけば、リソース削減にも繋がります。

データ分析機能

CRMに蓄積した顧客情報をもとに、様々な切り口で表やグラフを作成して表示します。分析により、成約率の高いアプローチ方法を見つけたり、既存顧客の購買傾向を分析したりできます。などが可能です。事前に、どの項目にどんなフィルターをかけ、どのようなスタイルで表示させるか設定しておけば、必要な分析結果をスムーズにチェックできます。

リード抽出

CRMに登録した情報から、特定の条件に合致する対象を見込み顧客として抽出します。

「失注した案件のうち、見積もりの提出に至らなかった顧客」「資料請求されてから2週間以上経っている顧客」のように複数の条件を組み合わせるなど、複雑な条件の設定も可能で、より精密な分析結果を得られます。

配信機能

配信機能とは、顧客に対し情報発信を行う機能です。メールを用いることが中心です。単発のメールはもちろん、メルマガやステップメールなどの配信も可能です。メールの開封率やクリック率などの検証もできるため、メールを介したアプローチの精度の向上につながります。

CRMの導入で得られる効果

CRMを自社に導入した場合に得られる主な効果は次の4つです。

  • 見込み顧客の早期発見
  • 営業活動の効率化
  • 顧客サポートの最適化
  • 営業部門の管理がしやすくなる

見込み顧客の早期発見

CRMの導入により、顧客ごとの購入ステータスと受注確度の高さを判断できるようになり、確度の高い見込み顧客をいち早く発見できるようになります。「資料ダウンロードを複数回している人」のような、施策ごとの成果からは見つけにくかった見込み客をキャッチし、素早くフォローできるようになります。その結果、営業の受注率の向上につながります。

営業活動の効率化

CRMでは、顧客に関するほぼすべての情報を一元管理できるため、最新情報を確認しながら営業活動に勤しむことができます。CRMを通じて共有されるチーム内の成功事例イヤ失敗例をサンプルに、エラーを減らし、成約率を高めていけます。また、受注履歴の管理によって休眠顧客の洗い出しができるため、機会を逃さず再アプローチできます。

顧客サポートの最適化

CRMは、カスタマーサポートにも大きく役立ちます。過去の購入履歴・購入経路などの顧客情報を参照することにより、問い合わせをしてきた顧客の状況を把握しやすく、スムーズ対応できます。これにより、顧客の不満や疑問の解消につながり、顧客満足度の向上に寄与します。

営業部門の管理がしやすくなる

CRMでは、蓄積される情報を一元管理しているため、システムにアクセスさえすればどこにいても閲覧可能です。商談の進捗について、プロセスも含めて記録・管理できるうえ、データの抽出・分析も可能なため、営業業務を効率化したり改善したりできます。

特に経営者やマネージャーにとっては、売上予測や注力すべき案件が可視化され、チーム全体や売上や進捗をリアルタイムで確認できるようになるため、素早い経営判断ができるようになるのは大きなメリットだと言えるでしょう。

CRMの選び方

CRMは、セールスフォースをはじめさまざまな企業が提供しています。そのため、どれが自社に合うのか、どれを選べば良いのか、悩んでいる企業も少なくありません。

この項目では、CRMを選ぶ際の5つのチェックポイントを紹介します。

  • 使い勝手の良さ
  • 必要な機能がそろっている
  • 既存ツールとの連携
  • セキュリティ対策
  • サポート体制

使い勝手の良さ

CRMを導入する際には、なるべくストレスなく使える使い勝手のいいものを選びます。特に、入力・閲覧の機会が多い現場の担当者の意見を元に選ぶことが重要です。

CRMの多くが、デモ版や無料トライアルを用意しているので、実際に試用して使用感を確認するのがおすすめです。

必要な機能がそろっている

自社が顧客情報を管理するのに必要な機能がCRMに搭載されているか、確認します。導入の前に欲しい機能を明確にし、ニーズを満たすCRMを選びましょう。

既存ツールとの連携

CRMは、MAやSFAのほか、さまざまな既存ツールを連携できます。

MAと連携する場合、CRMで得た顧客情報がMAでのペルソナ設定に役立ちます。SFAと連携すれば、成約率の高い顧客情報を分析した結果をもとにSFAで営業プロセスを作成できます。ツールの連携により、営業プロセスをより効率化させることができます。

セキュリティ対策

CRMでは顧客の個人情報を一元管理しており、セキュリティ対策は極めて重要です。不正アクセスへの対策方法など、どのようなセキュリティ対策を講じているのかはもちろんですが、高いセキュリティレベルが求められる官公庁や金融機関などへの納品実績があるかどうかをチェックするといいでしょう。

サポート体制

CRMの導入にはさまざまなコストがかかりますが、学習コストもその1つです。導入前の説明会や研修のほか、キックオフ、専任の担当者の有無、サポート内容をしっかり確認しましょう。

CRMを1度導入すると、長期間使い続けることになります。コストをかけて導入したのに機能が足りず社内に定着しないということは、多くある失敗事例です。上記のポイントを確認し、自社に合った使い勝手のいいCRMを選びましょう。

CRMを活用して営業の成果を上げよう

顧客情報を管理するCRMを導入し、顧客との関係性を構築し信頼を高めると、成約率の向上やアップセル・クロスセルにつながり、結果として営業の成果が上がっていきます。また、経営者やマネージャーは、営業の進捗管理がしやすくなるうえ、売上予測が立てやすくなるため、経営判断がしやすくなるというメリットもあります。

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