HubSpotは、インバウンドマーケティング、セールス、およびサービスソフトウェアを提供するアメリカの企業・HubSpot社が開発したITツールです。120カ国・17万社が導入しており、顧客の獲得から維持に至るまでのプロセスをサポートし、ウェブサイトのトラフィック増加、リードの獲得、顧客関係の構築といった各段階で企業を支援します。
この記事では、HubSpot CRMの機能や料金、そしてHubSpot CRMを使って顧客管理をする方法を紹介します。
HubSpotとは
HubSpotとは、マーケティングや営業・コンテンツ管理をサポートするITツールです。HubSpotには、主に4つのツールがあります。それぞれに機能が分類されています。HubSpotを利用する際は、自社の課題や目的に応じたツールを選ぶことが重要です。
- HubSpot CRM
- Marketing HUB
- Sales Hub
- Service Hub
HubSpot CRMとは
HubSpot CRMは、顧客情報を管理するツールです。顧客との関係性の構築・強化のための機能が数多く備わっています。無料なので導入のハードルが低いうえ機能が豊富、加えて有料版に切り替えるとSFAやMAをセットで使えるのが魅力です。
HubSpot CRMに搭載されている主な機能は、次の通りです。
- 連絡先管理
- 取引管理
- タスク管理
- メールの追跡
- Webチャット
- 書類作成
- レポート
HubSpot CMRのメール追跡やチャット機能、見積書作成機能を活用すれば、営業業務の効率化にもつながります。
Marketing HUB
Marketing Hubは、マーケティング活動を管理するためのツールで、インバウンドマーケティングに役立つ機能が備わっています。Marketing Hubの利用により、キャンペーンの作成と実行、リードの獲得、リードナーチャリングが可能になります。
Marketing Hubでは、マーケティング活動に必要なデータの管理のほか、マーケティング活動の効果測定・分析もできます。
Sales Hub
Sales Hubは、営業活動を支援するツールです。セールスプロセスを自動化し、セールスチームの効率を高めることを目的としています。
Sales Hubの機能には、リード管理、ディールトラッキング、パイプライン管理、自動化されたアウトリーチ、パフォーマンス分析など、セールス活動をサポートする多様な機能が含まれています。
Sales Hubの活用により、顧客との関係性の強化と営業活動の可視化、営業チームの業務効率化が実現します。
Service Hub
Service Hubは、顧客サポートやカスタマーサービスの強化に役立つツールです。Service Hubの導入により、顧客とのコミュニケーションが円滑になるため、カスタマーサービス業務の効率化につながります。
Service Hubには、問い合わせの管理からヘルプデスクやチャット機能まで、カスタマーサービスに役立つ機能が搭載されています。カスタマーサービスをオートメーション化できるうえ、顧客満足度の向上を期待できます。カスタマーサポートに課題がある企業におすすめのツールです。
HubSpotで顧客管理を始める4つのステップ
この項目では、HubSpotを利用して顧客管理をするための手順を紹介します。
- HubSpotアカウント作成
- コンタクト作成
- コンタクト詳細設定
- コンタクト管理
HubSpotアカウント作成
HubSpot CRMを使うためには、まず、HubSpotのアカウントを作成します。HubSpotの公式ホームページより[無料で試してみる]をクリックして、無料アカウントを作成し、業界・業種、自身の役割、従業員数、自社WebサイトのURLなどを入力します。
コンタクト作成
HubSpotへログインし、コンタクト作成を実行します。
ログインすると、[HubSpotとは?]という選択画面が表示されます。クリックすると、HubSpot CRMの概要説明を読み進められます(スキップもできます)。
その後[最初のコンタクトを作成]と表示されたら、クリックし、コンタクトを作成します。コンタクト作成の際は、名前・メールアドレス・コンタクト担当者・役職を記入します。
コンタクト詳細設定
作成したコンタクトに、さらに詳しい情報を追記します。対象のコンタクトの[詳細を表示]をクリックし、コンタクトプロパティ画面にアクセスします。
コンタクトプロパティ画面では、基本情報に加え、電話番号、FAX番号、見込み客を獲得した日付など詳細な情報を追加できます。顧客管理に必要な情報を書き加えることにより、より精度の高いコンタクト情報として管理できます。
コンタクト管理
コンタクトを作成後には、タスクの追記に加え、電話をかけたりメールを送ったりなどの顧客とのコンタクト履歴を管理できます。追記したタスクは、アクティビティにて確認できます。ネクストアクションを見落とさないよう、アクティビティを活用しましょう。
また、コンタクトと会社や取引を紐づけると、必要なコンタクト情報を商談やアクションに応じてすぐに引き出すことができます。紐付けたコンタクトは、タスク同様、アクティビティから確認できます。
HubSpotを利用する際の4つの注意点
HubSpotを利用する際の注意点を、4つ挙げて紹介します。
- 顧客管理の目的を社内で共有する
- 目標設定と戦略立案を行う
- 定着までに時間がかかる
- 無料プランでは利用できる機能に限りがある
顧客管理の目的を社内で共有する
HubSpotを使って顧客管理をする際には、なぜ顧客管理を実施するのか、目的を社内で共有します。顧客管理の目的が明確でないと、顧客情報を入力することが目的となり、単なる作業をするだけになってしまいます。顧客情報を管理する目的を明確にして、何のために情報を入力するのかを理解してもらうことが大切です。
目的が明確なうえ社内に浸透していれば、目的に応じた顧客管理表の作成が実現し、自社の課題の解決や、顧客との関係性向上につながります。
目標設定と戦略立案を実施する
HubSpotを導入する際には、導入の目的を明確にすることが大前提となります。CRMに搭載されている機能は非常に多いです。そのため、CRMは、マーケティング、セールス、カスタマーサポートなどさまざまなフェーズで活用できますが、目標が設定されていないと本来必要な機能を使いこなせません。
強化したい領域とその領域に必要なツールや機能は、企業によって異なります。まずは自社の現状と課題を洗い出し、達成したい目標を明確にしましょう。その際、定性・定量的な目標設定をするのがおすすめです。
目標を設定できたら、達成に向けた戦略を立案します。立案には、HubSpotを用いるといいでしょう。
効果検証・改善も重要
目標設定と戦略立案、HubSpotの設定が完了したら、効果検証を実行します。
HubSpotを利用すると、顧客とのあらゆるやりとりがデータとして蓄積されます。そのため、データをもとに現状を把握できるようになります。データから効果検証し、設定した目標値に近づいていくための改善を実行しましょう。
目標を達成できたら成功要因を分析します。反対に達成できなかった場合は、その原因を分析し、達成に向け改善策を練ります。
定着までに時間がかかる
HubSpotの導入後、社内に定着するまで時間がかかります。HubSpotは豊富な機能を備えたツールのため、HubSpotの運用・操作方法に慣れるまで時間がかかります。当然ながら、HubSpotを導入後に即成果が上がるわけではありません。
顧客管理を始めた際には、管理方法やレギュレーションを把握するまでに一定の時間が必要であることを理解しておきましょう。
HubSpotの導入の際には専任の担当者をつけて、社内に定着するまで継続してフォローすべきです。また、社内のサポート体制の確立やトラブル時の対応を考慮しておくことも重要です。
無料プランでは利用できる機能に限りがある
HubSpotは、無料プランで利用できる機能に限りがあります。無料プランで利用できる機能の範囲で顧客管理ができれば問題ありませんが、それ以上の機能を望むなら、有料プランの利用がおすすめです。
HubSpot CRMは無料で利用できますが、マーケティングやヘルプデスクのオートメーション化を進めたり、SEO対策、A/Bテストツール機能などを利用したりしたい場合、HubSpotの有料プランの利用が必須です。
無料プランか有料プラン、どちらを選ぶかは、自社の利用目的を明確にする必要があります。自社の目的に必要な機能が備わったプランを選びましょう。
有料・無料問わず自社に最適なCRMを選ぼう
HubSpot CRMは、顧客管理を効率化する機能がそろうツールです。コンタクト情報の管理、顧客とのコミュニケーションの円滑化、マーケティング施策の立案など、無料ながら、HubSpot CRMでできることは数多いです。
まずは無料プランでHubSpotを利用してみて、必要があればHubSpotの有料プランを検討するといいでしょう。
HubSpot以外にもおすすめのCRMがあります。それは、Merが提供するエストニア発の「pipedrive」です。14日間のフリートライアル期間を設けており、使いやすさを確認してから導入できます。
pipedriveは、リードや案件の管理、顧客とのやりとりの追跡、タスクの自動化、分析とレポート機能など、顧客管理に役立つ機能を数多く搭載しています。
商談の進み具合や商談結果を可視化でき、データを整理して管理しやすいため、失注の削減につながります。モバイルアプリもあり、タスクのチェックや案件確認、更新などの必要な操作をどこにいても行えます。また、メールやカレンダーなど、今使っているグループウェアと双方向同期できるため、入力の負担を軽減できます。
pipedriveには5プランあります。どのプランも初期費用0円、年間払いの場合、月額1,800〜11,000円/1ユーザーで利用できます。
まずは無料トライアルを活用し、使い勝手を確認してから導入をご検討ください。