CDPとCRMの違いと使い分け方を解説

CRM 2024年2月24日

CRMとCDPはともに顧客管理とマーケティングに使用されるツールですが、最も大きな違いは、カバーする顧客の範囲にあります。

この記事では、CRMとCDRの違いと、機能面での違い、使い分け方について解説します。

CDPとCRMの違い

CDPとCRMは、顧客情報の収集・管理および、その後のマーケティング施策を管理するのに利用するツールです。両者にはどのような点に違いがあるのか、概要から見ていきましょう。

CRMを利用する主な目的は、既存顧客のデータの収集とアプローチです。一方のCDPは、既存顧客以外の見込み顧客も対象にしてデータを収集します。オンラインの見込み顧客も情報収集の対象ですから、幅広いです。

機能面では、ほかのツールとの連携に特に顕著な違いがあります。CRMは連携できるツールの数がCDPほど多くありません。CDP自体、多くの機能を実装していないものが多いのは、各種ツールと連携することを想定しているためです。

CRMとは

CRMは「Customer Rerationship Management」の略で、顧客関係管理とも呼ばれます。既存顧客の基本情報、商談や取引、コミュニケーションの履歴を管理し、顧客と良好な関係の構築し維持するためのツールのことを指します。

CRMでは、以下のような顧客情報を管理できます。

  • 顧客の基本情報(住所・氏名・連絡先など)
  • 購買日
  • 購買商品
  • 購買金額
  • 購買頻度
  • 問い合わせ履歴
  • クレーム履歴  など

CRMで管理する情報は、営業活動やマーケティング活動に役立てられます。例えば、購買商品や購買頻度を分析すれば、顧客が次に購入する可能性が高い商材を特定できます。これにより的確なアプローチが可能になり、売上の向上につなげていけるでしょう。

また、問い合わせ履歴やクレーム履歴を確認すれば、顧客が抱える課題・問題が理解できます。適切なアフターフォローを重ねていくことで、顧客の信頼感や愛着度合いは増していくことでしょう。

このように、CRMの活用により、あらゆる顧客情報をもとにニーズを分析し、適切な施策につなげていくことができます。顧客満足度の向上は、企業の売上やLTVの向上につながります。

CDPとは

CDPとは「Customer Data Platform」の略で、企業が保有する顧客情報を収集・分析して一元的に管理するツールです。

企業が保有する顧客情報が1カ所にまとまっていることは案外少なく、社内システム上のあらゆる所に分散していることが多いでしょう。

CDPを導入すると、社内システムに分散している顧客情報を収集し、1人の顧客IDに紐付けることができます。

また、さまざまな形で接触してきた顧客の情報も管理できるのも特徴です。CRMでは管理が難しかったオンライン上の見込み顧客の情報も蓄積できます。CDPはCRMよりも幅広い範囲の顧客情報を管理できるため、より多角的な分析が実現します。

CDPとDMPの違い

DMPは「Data Management Platform」の略で、CDPと同じように、分散した顧客情報を統合できます。DMPには、プライベートDMPとオープンDMPがあります。

プライベートDMPは、CDPとほぼ同じツールです。自社システム上に分散した顧客情報を1つのIDに紐付け、統合して管理します。プライベートDMPとCDPは、プライベートDMPのほうがより広範囲をカバーできる点に違いがあります。

オープンDMPは、自社システム外にある顧客情報を統合して管理するツールです。データ提供会社から提供された顧客の年齢や性別、居住地、訪問サイト履歴などの情報を管理します。

CDPとMAの違い

MAは「Marketing Automation」の略で、主に見込みの管理・育成を行うためのツールです。

MAとCDPの最も大きな違いは、施策の可否にあります。MAでは、見込み顧客の情報を分析し、購買意欲が高いグループにメルマガを配信するといった施策を実行できます。一方のCDPは、見込み顧客の情報管理・分析はできるものの、その先のアクションを実行する機能を持ちません。CDPは情報を蓄積するためだけのツールであると認識しておくといいでしょう。

また、CDPは見込み顧客のほか既存顧客も管理できますが、MAは見込み顧客のみ管理できます。MAとCDPを併用すると、顧客理解をより深められるでしょう。

CDPでできることと必要性

この項目では、CDPでできることと、CDPの必要性について解説します。

CDPでできること

CDPでできることは、以下の通りです。

  • 社内に散在するデータの統合
  • 個人情報を含むデータを安全に格納する
  • 他のマーケティングツールなどとの連携
  • データ基盤として拡張性に優れる

このうち最大のポイントは、社内に散在するデータを統合できることだと言えるでしょう。さまざまなシステムと連携してデータを統合することにより、オンライン・オフラインを問わず、ユーザーの行動を一元的に追いかけることができます。統合前はオンライン上の行動のみの解析でしたが、統合後は、顧客分析と関連性を持たせられるようになります。

CDPの必要性

近年では、誰もが、スマートフォンやパソコンを利用して、サービスや商品について検索したり、ネットショッピングをしたりできるようになりました。インターネットやIT機器の発達と普及によって、私たちの生活はとても便利かつ豊かなものになっています。

そのため、企業は、顧客が自社のサービスや商品を知ってから購買に至るまでのプロセスについてデータを収集することが重要だと言えるでしょう。

こうしたデータの収集と活用のため、CRMやMAなどのツールが取り入れられてきました。しかし、各ツールで蓄積したデータの連携ができず、重要な情報が社内に点在することになり、最適な活用ができていないのが現状です。

この課題を解決するのに、CDPが大いに役立ちます。CDPによって社内に散らばる顧客情報を収集・統合し、分析に役立てることができます。

CDPとCRMを使い分ける

CDPとCRMは、どのように使い分けるべきでしょうか。この項目では、2つのケースについて、両者の使い分け方を紹介します。

顧客を囲い込みたいならCRM

CRMは、既存顧客の囲い込みを実行したい企業に向いたツールです。CRMは、既存顧客の情報を管理し、ニーズや行動を分析できます。CRMのデータを分析することで、最適なマーケティング施策の提案につながります。

既存顧客の維持は、売上を安定させるのに必須です。競合他社や他社製品への乗り換えを防ぐには、CRMを利用し、顧客のニーズにあったマーケティングと営業活動を行う必要があります。顧客満足度の高いサービスの提供により、顧客の囲い込みにつながります。

顧客ごとに精度の高いマーケティングを実施したいならCDP

CDPは、顧客にマッチしたマーケティングを実施したい企業に向いたツールです。CDPの導入によって社内に分散した顧客情報を統合して管理でき、顧客像をより鮮明に描けるようになります。これにより、顧客それぞれのニーズに合ったマーケティングの実施や、各顧客にきめ細やかな対応を実現できます。

前述の通り、CDPは、既存顧客のほか見込み顧客の情報管理もカバーします。既存顧客に加えて見込み顧客にもアプローチしたい企業は、CDPの導入を検討するといいでしょう。

CRMとCDPを併用することが多い

CDPとCRMが併用されることが多いのは、それぞれのメリット・デメリットを補完するためです。

CDPは多様な情報の収集・分析はできるものの、分析データから施策を実行する機能はありません。一方のCRMは、メール配信などの機能により施策が可能ですが、CDPに比べるとカバーできる情報の範囲が狭いです。

CDPとCRMを連携させると、情報収集はCDPに、施策実行はCRMに、と分業できるようになります。CDPとCRMの連携により、より効率的な営業活動につなげることができます。

CDPとCRMを併用して得た行動分析を施策に役立てよう

CRMとCDPは、顧客情報を管理するツールである点は同じですが、カバーする顧客の領域が異なります。CRMは既存顧客のみに対応しているのに対し、CDPは、既存顧客に加え、見込み顧客の情報も管理できます。とはいえ、CRMにはマーケティング施策を実行する機能はありますが、CDPには施策を実行する機能はなく、両者を組み合わせることにより、よりよいマーケティングが実現することがわかります。

今後、CDPを導入する場合、「CDPを使って何をするか」に重きを置いて選択するといいでしょう。

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特徴の1つに、リードトラッキングがあります。自社のWebサイトを訪問する企業を特定し所属する人物の情報を洗い出したり、チャットボットやWebフォームによるリード情報の収集などを実行します。また、MAの機能も持ち、顧客のセグメント化とテンプレートの活用による魅力的なメール配信を実行できます。

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まずは14日間のフリートライアルを活用し、使いやすさを確認してから導入をご検討ください。

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