営業成績を上げるには?仕組みづくりとITツールの活用ポイント

2022年5月30日

企業がいくら素晴らしい商品やサービスを開発しても、販路を確保できなければ利益は生まれません。営業活動は、企業の経営を支える生命線だと言えるでしょう。そのため、営業職の多くが販売実績や契約件数など、目に見える数値としての営業成績を求められることがほとんどではないでしょうか。

顧客に商品やサービスを購入してもらうには、商品の購入やサービスの利用が顧客にとってどのようなメリットを生み出すのか、しっかりと伝えることが重要です。

この記事では、企業活動を支える営業担当者に向けて、営業成績を上げる仕組みと営業を効率化する方法を紹介します。

1.営業成績を上げるための仕組み

営業成績を上げるには、仕組み作りが重要です。この項目では、営業成績を上げるためのプロセスを3段階に分けて紹介します。


①Webからの見込み顧客へのアプローチ

見込み顧客を獲得するのに、以前は、展示会への出展やセミナーの開催、テレアポやDM送付、飛び込み営業などのオフライン施策によるアプローチが基本でしたが、2020年以降はWebからアプローチするのが一般的になってきました。

特に今、注目を浴びているアプローチ方法は次の3つです。

・Web広告

・オウンドメディアやブログ

・ウェビナー

それぞれについて見ていきましょう。

Web広告

Web広告とは、Web上のメディアやメールに掲載する広告のことです。インターネット広告、オンライン広告、デジタル広告と呼ばれることもあります。Webサイト・SNS・動画・メールなど各メディアが用意する広告枠に、自社商材の広告を掲載・配信するシステムです。

新聞や雑誌の広告やテレビCMなどのマス広告では、コストが高い、効果測定が難しい、行動促進が難しいという弱点がありました。一方、Web広告は、コスト、効果測定、ターゲティング性に優れており、マス広告の弱点をほぼ克服していると言えます。その結果、Web広告の市場は年々規模を拡大しています。

オウンドメディアやブログ

オウンドメディアとは、企業が自社で保有するメディアのことを指します。パンフレットや自社サイトなど企業が保有するすべてのメディアを指しますが、オンラインマーケティングの世界では、自社で運営し、情報発信するブログのようなサイトのことを指すことが多いです。

オウンドメディアやブログでは、自社で決めたルールを元に運用ができるうえ、掲載面に関する制限がないため、コンテンツ作成の自由度が高く、伝える側が意図した情報を届けやすいというメリットがあります。製品やサービスを紹介する自社サイトのページでは語り尽くせぬ魅力や思いを伝え、潜在顧客を見込み顧客に、最終的には顧客からリピーターへと育てていくことを目的としています。

ターゲットのニーズに合わせた内容を発信し、SEO対策をすれば、ターゲット層へのリーチを高められます。一定量以上の記事本数を公開していれば、ユーザーがサイト内を回遊したり、サイトに継続的に訪問したりすることにつながっていきます。

ウェビナー

ウェビナーとは、Webとセミナーを組み合わせた造語で、Webセミナーやオンラインセミナーとも呼ばれます。インターネット環境さえあれば、参加者は、パソコンやモバイルを使ってどこからでも視聴できます。

視聴者にとっては、カメラや音声をオフにできるため、気軽に参加できます。また、開催者にとっては、大人数が入る会場の手配の必要がないうえ、居住地に関係なく参加できるため、これまでよりも多くの人に参加してもらえる可能性が高まっています。

とはいえ、開催者が一方的に話す形式のウェビナーでは、視聴者が飽きてしまい、片手間に聞いたり、離脱したりしてしまいます。一緒に参加しているような一体感や、企画内容が視聴者の熱量に影響を与えるため、視聴者を引きつけ、メリットがあるコンテンツを準備する必要があります。

②見込み顧客のリスト構築

見込み顧客のリストを構築する目的は、見込み顧客を見える化することです。上記の3つの手法を組み合わせることで相乗効果が生まれ、効率的な見込み客の獲得が期待できます。このように、Webからアプローチした見込み顧客を逃さず顧客化するには、顧客管理が非常に重要です。

従来の顧客管理は、人の手で行うことが一般的でしたが、昨今では、より高度な顧客管理が求められます。そのため、ITツールを導入し、顧客管理するのが一般的になっています。

③商談やフォロー体制

見込み顧客を成約につなげるには、商談内容や見込み顧客のフォロー体制も重要です。

商談は、次のようなプロセスで進めていきます。

・要望のヒアリング

・要望に合った商材のプレゼン

・クロージング

・成約後のアフターフォロー

それぞれについて見ていきましょう。

要望のヒアリング

顧客の本音を聞き出すには、緊張や警戒心を解く必要があります。具体的な商談に入る前に、顧客が話をしやすい雰囲気を作ります。フロントトークやアイスブレイクなどでお互いにリラックスして本題に入れるよう場を構築します。

要望のヒアリングは、質問を通じて顧客の話を掘り下げていきます。会話を重ねる仲で信頼を得られれば、顧客の本当のニーズを引き出しやすくなります。

要望に合った商材のプレゼン

ヒアリングによって顧客の本当のニーズがわかれば、ニーズに合った商材を提案できます。それだけでも顧客の興味を引けますが、単に商材の説明をするだけでは顧客のニーズに合っているかどうかが伝わりにくく、顧客は自分たちにとっての商材の価値を見出せないかもしれません。

顧客にとって本当に価値ある商材を紹介していることを理解してもらえるように、事前準備をしっかりすることが重要です。商材の特性の詳細までインプットしておけば、顧客のニーズに合わせた説明ができるため、成約に至る可能性がより高まります。

クロージング

プレゼンによって顧客の購入意欲を刺激したら、クロージングを行います。クロージングで最も重要なのは、商材に対する疑問点や不安点を聞きだして解消することです。疑問や不安がなくなれば、顧客の購買意欲はより高くなるため、検討に費やす時間を短縮できる可能性があります。

また、クロージングでは、顧客が商材を購入後、社内がどうなっているか、自分たちの仕事がどうなっているのか、具体的にイメージさせることも重要です。具体的なイメージが、顧客の背中を押すことになるからです。

成約後のアフターフォロー

成約したからといって、営業担当者の仕事は終わりではありません。成約後にはメールや電話などで感謝の意を伝え、イメージアップにつなげます。

その後も定期的に顧客と連絡を取り、問題や疑問が生じていないか、確認することも重要です。問題や疑問が生じるたびに真摯に対応し解消していくことが、顧客との信頼関係を深めることにつながるからです。また、同じような課題を抱えている知り合いがいたときに相談してくれる可能性が高まります。

アフターフォローを通じて、顧客との信頼関係を深めていくことも、営業成績の向上に役立つのです。

2.営業成績を高めるには、ITツールの活用がポイント

近年では、オフライン施策よりもオンライン施策での営業活動が増えています。また、営業担当者の仕事は顧客対応だけではなく、顧客リストや提案書、見積書の作成や既存顧客への対応など幅広い業務に対応せねばならず、多くのタスクを抱えている営業担当者は少なくないでしょう。

ITツールを活用し、メール営業やアポイント獲得などを自動化できれば、業務時間の削減につながり、コア業務である顧客対応により多くの時間を割けるようになります。営業担当者にかかる負担が減り、社内満足度の向上にもつながります。高い社内満足度を維持できれば離職率が低下するため、社内に営業業務のノウハウが蓄積されやすくなるため、長期的に売上を伸ばしていくことも可能です。

このように、営業活動におけるITツールの活用は、営業担当者と企業の双方に大きなメリットがあります。

見込み顧客に適切なアプローチが営業成績につながる

ITツールを活用することで、購買意欲が高い見込み顧客と低い見込み顧客を選別し、効率的に営業活動を行えるようになります。購買意欲の有無は、顧客の属性やこれまでの行動履歴を元に判断します。必ずこの通りにいくわけではありませんが、営業を効率化する一助になります。

購買意欲が高い見込み顧客と低い見込み顧客を選別するのに、ITツールを活用すると自動化することができます。

3.営業効率化を図り、営業成績を高めるためのITツール

ITツールの活用は、営業担当者の業務効率化を図り、営業成績の向上に役立ちます。この項目では、営業部門で採用すべきITツールにはどのようなものがあるのか、解説します。

SFA(営業管理)ツール

SFAとは「Sales Force Automation」の略で、「営業支援ツール」と呼ばれるITツールです。SFAには、顧客管理、プロセス管理、売上予測管理、スケジュール管理、行動管理などの機能があります。受注件数や売上のほか、営業プロセスや案件の進捗、商談の内容などを見える化して管理・共有できるため、営業活動の効率化を実現できます。

顧客情報を一元管理し、共有できれば、営業担当者は常に最新情報をチェックできます。営業担当者にとって、顧客の詳細かつ最新の情報は必要不可欠です。プレゼン資料の作成や商談前に顧客の最新情報の確認などが容易にできるため、より質の高い商談を実現できるでしょう。

また、SFAを活用すると営業チーム全体の業務内容や収集した情報などを分析して営業業務の効率化を図れるため、ボトルネックの発見にも役立ちます。



CRM(顧客管理ツール)

CRMは「Customer Relationship Management」の略で、顧客関係管理のことを指します。CRMを使用する目的は、企業の売上と利益の向上です。自社と顧客との関係性をより強くするために、CRMを使用し、事業戦略や営業プロセスを構築したり管理したりします。

多くの場合、CRMツールには、マーケティング機能や分析機能など、顧客管理に役立つ機能が盛り込まれてされています。例えば、顧客や企業の情報、役職や購買履歴、行動履歴などさまざまな情報を顧客に紐づけて追加すれば、顧客のニーズが自ずと浮き彫りになります。顧客の興味や関心をしっかりと把握できるため、顧客が次に求めるものを事前に把握したうえで提案することができるようになります。

顧客の管理が十分にできていない、メール配信など顧客とのやりとりを効率化したい、商談の途中離脱が多い場合、CRMの導入が有効です。

MAツール

MAとは「Marketing Automation」の略で、MAツールはマーケティング活動の自動化・効率化や、効率化を実現するためのツールのことを指します。見込み顧客の獲得からナーチャリング、受注までの流れを自動化するITツールです。MAツールはマーケティング機能に特化しており、メールの配信機能やWebページやサイトとの連携機能が搭載されていることが多いです。

MAツールの代表的な機能、ステップメールがあります。シナリオ型メールとも呼ばれ、顧客の興味関心の度合いやステータスによって、複数のメールを自動的に出し分ける機能のことを指します。個々の見込み客の状況に合ったアプローチを実施し、効果的なナーチャリングが実現し、全てのステップを自動化できるため手間がかかりません。

MAツールを導入するメリットの1つに、過去に失注した見込み顧客を再発掘できることが挙げられます。フォローメールを配信した後の顧客の行動を元に、次の段階のメールを自動的に送信し、興味や関心を引き上げることができます。このように、失注した見込み顧客への定期的なアプローチがツールを使って自動的に行えれば、手間をかけずに案件の再受注へとつなげていくことができます。

MAツールは、リードの獲得が難しい企業こそ導入すべきITツールです。1度に数多くの見込み顧客にアプローチできるうえ、アプローチの過程を自動化できるMAは、リード獲得に悩む企業の課題解決に多いに役立つはずです。

コミュニケーションツール

コミュニケーションツールとして、Web会議システムとビジネスチャットツールの2種類が挙げられます。

Web会議システムは、オンラインで会議を行うためのツールです。zoomやGoogle Meetが代表的です。

Web会議システムが普及する以前は、オフラインでの開催が当たり前でした。物理的な場所を確保し、その場所に移動して行わなければならなかった会議が、Web会議システムを活用すれば、場所を問わず会議ができるようになります。移動時間や費用、会議室スペースの削減にもつながります。

ビジネスチャットツールとは、チャット上でメッセージのやりとりができるツールです。SlackやChatworkが代表的です。

4.ITツールを活用して、成果を最大限にするために必要な視点

ITツールは導入コストやランニングコストがかかります。また、ITツールを導入さえすれば成果が上がるわけではありません。この項目では、ITツールによって営業の成果を最大限にするために必要な視点について、解説します。

顧客像(ペルソナ)を明確にする

営業活動では、見込み顧客について、取引実績と売上拡大余地を元に分類し、顧客像(ペルソナ)を明確にすることが必要です。その上で、どのような営業活動をどのくらいの頻度で実施するのか、綿密に計画を立てます。

特にトップセールスは、顧客増を明確にすることに長けています。トップセールスは、「行きやすい顧客」ではなく「成約の見込みが高い顧客」を優先して訪問しています。ITツールによって顧客像とターゲットを明確にすれば、営業担当者は行動計画を立てやすくなるはずです。

カスタマージャーニーの設計

カスタマージャーニーとは、顧客が製品やサービスを購入に至るまでのプロセスを旅に例えたものです。購入を決断するまでの顧客の行動や思考をたどって時系列化し可視化したものを指します。ここに、顧客増(ペルソナ)の趣味や嗜好、価値観、ニーズ、行動特性などの訂正データも組み合わせます。詳細であるほど、実際の購買意欲に沿ったマーケティングが実現します。

カスタマージャーニーは、ペルソナを明確にしてからゴールとフレームを決定します。その後、顧客に関する情報を収集します。過去の問い合わせ情報やSFAに蓄積してきた商談や受注の情報、アンケート調査、カスタマーサポートの対応履歴などのデータを活用できるはずです。

近年では、顧客がSNSや動画を含めた複数のチャネルを通して情報を仕入れるようになっています。同じ商品の購入でも、A社とB社ではプロセスが異なるなど、購買プロセスの多様化が進んでいます。だからこそ、カスタマージャーニーの可視化は、営業担当者が見込み顧客にアプローチする際に役に立ちます。

アクションプランの設計

アクションプランは、目標を達成するための手段です。アクションプランの設計は、目標に辿りつくまでの道筋が明確になるため、自分のすべきことのスケジュールを把握できるため、営業活動が効率化と生産性の向上が期待できます。営業におけるアクションプランとは、目標を達成するためにいつ誰が何をやるか、計画を立てることを指します。

チームで共有する組織レベルでのアクションプランと、営業担当者ごとの個人レベルでのアクションプランを作成し、すべきことを具体化します。短期的なプランはもちろん、中長期的なプランの両方を立案します。

設計したアクションプランを形骸化させないためには、PDCAを回し、維持・修正していくことが重要です。この際、役立つのがSFAです。SFAは、営業のPDCAの基盤となるためのデータが詰まっています。現場で活躍する営業担当者の入力によって蓄積されたデータが、分析の元となる貴重なデータとなります。

SFAに蓄積されたデータを元にPDCAを回すことで戦略の精度が向上します。ところが、現場の営業担当者は、入力を面倒に感じ入力時間を短くしたいと考えがちですが、データを蓄積してようやく有効活用できるようになり、営業成績の向上が見込めます。入力にかかる時間や労力は営業成績を上げるための投資だと考えて取り組むといいでしょう。

情報共有とナレッジ構築

営業の属人化を解消するには、営業のプロセスを見える化し共有することが重要です。営業活動は属人化しがちだと言われることが多いです。社内に属人化を防止する仕組みや対策がないと、基本的な行動が標準化されにくく、営業担当者の個々のスキルに大きな開きが生じます。

営業プロセスの見える化と共有によって、提案資料や見込み顧客に伝える時のフレーズ、メールを送るタイミングなど、成約に結びつく理想的な営業プロセスを見つけられます。

営業プロセスは、営業担当者自身が意識していないことや言語化しにくい部分もありますが、SFAによって見える化することが可能です。特に営業プロセスをパイプライン管理できるSFAでは、営業プロセスが自ずと見える化します。パイプの中を水が流れるように管理していくため、営業の進捗情報がひと目でわかるうえ、高度なノウハウやスキルを持つ営業担当者の行動を把握しやすいです。

まとめ:営業ツールを活用して効率的に営業成績を上げていこう

営業担当者は、見込み顧客に対して、自社の商品の購入やサービスの利用にどのようなメリットがあるのかを顧客のニーズに合わせて伝えることが重要です。とはいえ、現在では、見込み顧客がさまざまなチャネルから流入するため購買プロセスが多様化しているからこそ、成果を出すためにはITツールの活用が欠かせません。 Merが提供するpipedriveは、エストニア発のCRM/SFAです。リードや案件の管理、顧客とのやりとりの追跡、タスクの自動化、分析とレポート機能など、営業活動を支援するための機能を数多く搭載しています。 営業活動をパイプライン管理することによって商談の進み具合や商談結果を可視化でき、データを整理して管理しやすいため、失注の削減につながります。モバイルアプリもあり、タスクのチェックや案件確認、更新などの必要な操作をどこにいても行えます。

pipedriveには4プランあります。どのプランも初期費用0円、年間払いの場合、月額1,500〜6,000円/1ユーザーで利用できます。14日間のフリートライアル期間を設けており、使いやすさを確認してから導入できます。

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