企画営業とは?営業との業務の違いと必要なスキルを紹介

2022年2月28日

企画営業とは、営業部門の目標達成に向けて営業戦略を立案し、バックアップする職種です。企画提案型営業を略して企画営業と呼ぶこともあり混同されることもありますが、別の職種です。

この記事では、企画営業と企画提案型営業の概要と、企画営業に必要なスキルについて紹介します。

1. 企画営業とは

企画営業とは、営業部門が目的を達成できるように戦略を立て、あらゆる角度からバックアップする仕事です。営業戦略立案から販促ツールの制作まで、業務内容は多岐に渡ります。

具体的な業務内容は次の通りです。

・営業戦略立案

・目標設定

・営業戦術の策定

・営業実績の把握と対策

・販促ツールの制作

・営業コンテストの実施

・インセンティブの設定

・競合の情報収集

・提案資料作成

・商品勉強会の企画 など

企画営業の特徴

企画営業の特徴は、マーケティング要素が強いことです。企画営業の仕事は、自社の商品やサービスの売り上げやシェアの向上のために営業戦略を立案・策定することです。

営業戦略の立案では、市場における自社のシェア、市場動向、競合他社の動向、トレンドなど、さまざまなデータを収集・分析します。分析結果を基に、実効性の高い企画を立案します。

もう1つ、企画提案型の営業も企画営業と呼ばれます。次の項目では、企画提案型の営業について解説します。

2. 企画営業の役割

企画提案型の営業の役割は、クライアントの課題や悩みを解決するため、根本的な原因を深掘りし、その原因を取り除くための提案をします。クライアントが抱える課題や悩みには、顕在的なものと潜在的なものがあります。企画営業は、2つの課題の原因について深掘りし、解決策を提示します。

アプローチの第一段階は、クライアント自身が認識している顕在的な課題について、さまざまな側面から提案していきます。その後、第二段階として、クライアントが認識していない潜在的な課題を見つけ出し、その課題を認識していただいてから本質的な課題に対して提案します。

企画提案の内容は、クライアントの課題に合わせた提案と、クライアントの課題を解決するための商品やサービスの提案に大きく分けられます。

この項目では、前者と後者の違いについて解説します。

クライアントの課題に合わせた企画提案

クライアントの課題に合わせた企画提案は、本質的な課題を特定し解決につながるような提案の実施を目的としています。クライアントに言われた顕在的な課題をそのまま解決するだけではなく、クライアントが思いも寄らないような潜在的な課題も解決に導くのが企画営業の仕事の醍醐味だと言えるでしょう。

システムやWebサイト、カスタマイズが必要な部品の製造、専用機械の設計など、クライアントの課題解決のためにイチから作る一品一様の商材を取り扱います。

クライアントの課題を解決する商品・サービス案の提案

クライアントの課題を解決するため、自社の商材を用いた解説策を提案します。前項と異なるのは、課題解決のプロセスです。クライアントに提案する解決策が、既存の商品やサービスを用いた解決策であることが前提となります。

パッケージソフトや汎用性のある部品や機械など、カタログ化できるような商材を取り扱います。

こうした提案型の営業活動を支援するのが、企画営業です。さまざまな業務を通じて多角的に、営業部隊をバックアップします。

3.  企画の種類と必要な能力

次に、企画営業が担う企画の種類と、それぞれに求められる能力を紹介します。

会社の組織図を見ると、本社企画という全社を統括する企画業務があります。多くの企業が事業部制を敷いており、事業ごとに企画業務があります。

企画営業を始めとした企画業務には、業績管理機能、会議運営機能、中期計画策定機能、新規事業開発機能、サービス・商品の企画機能の5つの機能があります。この項目ではそれぞれの機能と求められる能力を解説します。

業績管理機能

商品やユニット単位での予実管理を行います。会社によっては、年次決算や月次決算の他、四半期(Q次)決算があります。期ごとに予算に対して実績がどうなっているのか管理します。予算と実績に開きがある場合、その原因を究明しどのように改善するのか提案します。

求められる能力は、数字に強いこととExcelのスキルです。あらゆる数字に強く、Excelの複雑な表計算を使いこなせる高いスキルが必要です。

会議運営機能

さまざまな会議を運営するため、高度な調整能力と資料作成能力が求められます。

定例会議のほか、必要に応じて突発的に会議を開催することもあります。いずれも、参加者の日程調整を行います。重要な会議には取締役を始めとした忙しい重役陣が参加します。こうした役職者が一堂に会する会議をイレギュラーに開催する場合、スケジュール調整が難航することが多々あり、調整能力が求められます。

会議を運営するにあたり、段取りを組み、時には保有する過去のデータを活かしながら資料作成をしなければなりません。イレギュラーな会議の場合、限られた時間で質の高い資料を作成せねばならないことが多く、資料作成能力は必須と言えるでしょう。

中期計画策定機能

事業部ごとに立案した中期計画を資料として取りまとめ、役員会等の場で公表するために資料作成を進めます。見る人にわかりやすい内容に仕上げるための資料作成スキルが求められます。

また、計画立案に向け、マーケットの課題、自社の課題を調査した詳細なデータを各事業部に提供する役割も果たします。資料作成に加え、調査能力も求められます。

新規事業開発機能

プロジェクト管理能力のほか、想像力と独創性、調整能力、資料作成スキル、調査スキルなど、幅広く高いスキルが求められます。新規事業を立ち上げる際には、複数の部署・複数の人とタッグを組んで実行するため、コミュニケーション能力も問われます。

サービス・商品の企画機能

サービス・商品の企画の三大要素として、次の3つが挙げられます。

・商品企画機能

・商品販促機能

・販売管理・販売促進機能

商品企画機能では、今までにない新しい商品を作り出したり、既存の商品やサービスの改善を実施します。業界の動向やトレンド、ベンチマークとなる商品の調査なども行います。

商品販促機能では、商品やサービスの存在や魅力を消費者に伝えるマスマーケティングを実行し、大型キャンペーンなどの企画と計画を立てます。

販売管理・販売促進機能では、販売部隊である営業部への支援と業績の管理を行います。パンフレットの企画と作成、新商品を知るための販売研修の実施、販売マニュアルの作成やキャンペーンの立案を実施します。

いずれも、想像力と独創性のほか、資料作成スキル、調査能力、資料作成のほか、コミュニケーション能力なども必要です。

4. 企画営業で成果を出しやすい人の特徴

企画営業で成果を出しやすいのはどのような特徴を持つ人なのでしょうか。ここでは、企画営業として活躍できる人の特徴について紹介します。

課題分析力が高い

企画営業には、課題分析力が求められます。近年ではビジネス環境の変化が激しいうえ、価値観が多様化しており見えない課題が増えています。こうした不確定な世の中において会社が発展していくには、未来に向け、課題を見つけて分析し、イノベーションを起こしていくことが重要です。

課題分析力とは、現状を把握して分析し、問題を見つけていく力のことを指します。日常の業務に何ら問題がない状態であっても、さらに改善できることはないかと新たな課題を見つけ出して分析し、どうしたらよりよくなるか思考します。

現状に満足してしまうと、思考が停止し、課題を発見し分析するところまで到達できません。現状維持でいいのかと問いかける思考は、課題発見と分析力を高めるのに大いに役立ちます。

事前に問題が起こりそうな事を予測して対策ができる

企画営業は、事前に起こりそうな問題を予測して対策する、リスク・アセスメント能力が求められます。リスク・アセスメントは、潜在しているリスクを見つけ出して取り除く手法です。

仕事のプロセスの中で予想できるリスクを洗い出し、リスクリスト化します。リスト化には、過去の同じような仕事やプロジェクトなどの経験や教訓を参考にするといいでしょう。問題発生の兆候を見逃さず、早期発見につながります。

このように、リスクを回避したり、リスクによる損失の防止や削減をしたりするのは、企画営業に求められるスキルの1つと言えます。

問題解決能力が高い

問題解決能力が高いと、顧客の課題を解決するための提案がしやすいです。問題解決能力とは、今起こっている問題を分析して原因を発見して解決に導く力のことを指します。そのままでは一向に解決しそうにない問題も、原因を細分化していくと解決の糸口を発見できることがあります。

問題解決能力が高いと、ヒアリングを通じて顧客の悩みや課題を見つけやすいです。特にまだ表面化していない課題は発見への難易度が高く、見つけられれば競合との差別化が図れます。企画営業にとって、非常に重要な能力だと言えます。

新しいアイデアで解決策を提案できる

企画を提案するため、アイデア力が求められます。普段は見過ごしがちな何げない情報を見つけ出すため観察力を高めたり、知っている情報を変化させて、新しいアイデアにつなげていきます。同じ情報でも、表現方法を変えるだけで新たなアイデアに繋がることがあるからです。

5. 企画営業と企画提案型営業は課題分析能力が重要スキル

企画営業も企画提案型営業も、問題解決能力や課題分析力がモノをいう仕事です。自社または顧客の課題を見つけて分析し、そこから生まれる新しいアイデアを活かして仕事を進めていくからです。企画営業には、営業の経験が役立つと言われるのは、こうした背景があるからでしょう。

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