CRM(Customer Relationship Management)とは、顧客関係管理を意味します。
顧客に関する基本的な情報からやり取りの履歴まで一括管理し、顧客との関係性をより良いものにしていく手法とツールのことを、CRMと呼びます。CRMツールを取り入れると、各顧客に最適なアプローチができるようになり、売上アップや顧客との関係性の向上を期待できます。
今回は、無料で使えるCRMツールを10、厳選して紹介します。また、CRMの選定ポイントも解説します。
CRMツールの無料版と有料版の違い
CRMツールには無料版と有料版があります。それぞれの特徴を解説します。
利用人数とデータに上限がある
多くの無料CRMは、利用人数やデータに上限があります。無料版を使いこなせるようになった頃に、データ容量が上限に達し、利用できなくなることがあります。このような場合、有料版に移行することで上限が解かれ、引き続いての利用が可能になります。
まずは無料トライアルで操作性を試したうえで、自社の利用規模やデータ容量によっては有料版を検討するといいでしょう。
オープンソースCRMは専門知識が必要
無料版のオープンソースCRMシステムは多くの場合、自社に合うようカスタマイズする必要があります。オープンソースCRMは特定の企業が提供する一般的なツールと異なり、導入時にサポートを受けられないため、ソフトを扱う専門知識も必要です。
加えて、オープンソースCRMの無料版の利用は完全に自己責任です。特にセキュリティ対策は自社で整備しなければなりません。CRMツールは顧客の個人情報を扱うため、十分な対策が必要です。
一方、有料版の場合、導入時のサポートや運用、セキュリティまでしっかりサポートを受けられます。オープンソースCRMを利用する場合、不安があるなら有料版の導入をおすすめします。
無料トライアル版は機能や利用期間に注意
無料トライアルを利用する場合、以下の2点に気を付けましょう。
- 期間が決まっている
- 機能に制限がある可能性もある
ほとんどの製品では、利用期間が決まっています。おおよそ2週間~1か月くらいで、製品ごとに異なります。無料トライアル期間の間に製品の特徴を理解しましょう。
また製品によっては、すべての機能を利用できないこともあります。無料トライアルの範囲の中で必要な機能を試せるCRMツールを選ぶとよいでしょう。
導入製品にお悩みで、まずは最新の人気製品から検討してみたい、という方はこちらのランキングも参考にしてください。
CRMツールの無料トライアルを活用する場合、以下の事柄に気を付けましょう。
- 利用期間が決まっている
- 機能に制限がある可能性がある
多くの製品では、無料での利用期間が決まっています。製品によって異なりますが、2週間~1か月程度のことが多いです。その期間内に製品の特徴や使い心地を把握し、導入の参考にするといいでしょう。
製品によっては、無料トライアルではすべての機能を利用できないことがあります。無料トライアルを活用してCRMを選定する場合、自社に必要な機能を試せるかどうか、事前に確認しましょう。
無料トライアルの提供があるCRMツール4選
この項目では、無料トライアルの提供があるCRMツールを厳選して4つ紹介します。
pipedrive
引用:pipedrive
pipedriveは、Merが提供するCRM/SFAツールです。IT先進国であるエストニアで開発されました。Pipedriveは初期費用が無料で、月額料金が1,800円からと手頃な価格設定がされています。また、無料トライアルが提供されているため、実際に使用感を試してからの導入決定が可能です。
pipedriveは多機能ながら操作がシンプルで使いやすいのが特徴です。顧客情報に加え、営業活動に関する情報を一気通貫で管理できます。
加えて、営業の進捗をパイプラインで管理できるため、今の営業ステータスをひと目で把握できます。単純な事務作業を自動化できるため、作業のための時間と人為的ミスを大幅に削減できます。
pipedriveは、顧客管理と営業支援に必要な基本機能をすべて備えている汎用的なサービスで、これまで世界中で10万社以上に導入されており、あらゆる規模の企業におすすめです。
Sales Cloud
引用:Sales Cloud
Salesforce Sales Cloudは、世界的に広く使用されているCRMソフトの1つです。14日間の無料トライアル期間が設けられています。
Sales Cloudは、特に営業活動の管理と最適化にフォーカスを当てています。Salesforceは、柔軟性が高く多機能なクラウドベースのCRMソリューションを提供していますが、Sales Cloudはその中核を成す製品です。
頻繁に機能の追加やバージョンアップがあり、常に最新版を利用することが可能です。SFA機能も搭載されています。
Kintone
引用:Kintone
Kintone(キントーン)は、日本のサイボウズ株式会社が提供しているクラウドベースのビジネスアプリケーションプラットフォームです。30日間の無料トライアル期間が設けられており、基本機能を利用できます。
Kintoneを使用することで、ユーザーはコードを書かずに、簡単にデータベースを作成し、業務アプリケーションを構築することができます。
KintoneはCRMとして利用することができます。CRMとして利用する際の主な機能として、顧客情報管理、営業活動の追跡、タスク管理、顧客との取引状況の管理、レポートと分析などが挙げられます。
Mazrica Sales(旧Senses)
Mazrica Salesは、顧客情報の一元管理と営業活動を支援するCRM/SFAツールです。無料トライアルの用意があり、フォームから問い合わせることで利用できます。
Mazrica Salesは、現場への定着にフォーカスしたツールです。現場の入力負担を軽減するため、OCR機能、議事録のスキャン、自動文字起こしなどの機能を搭載し、入力負担を削減しています。
また、AIが案件のリスク分析や類似案件を直接アドバイスする機能があり、進行中の案件のリスク分析や確度予測などを実行します。
無料で使えるCRMツール3選
この項目では、無料で使えるCRMツールを3つ、紹介します。
HubSpot CRM
引用:HubSpot
HubSpot CRMは完全無料で利用できるCRMです。アメリカのマーケティング会社・HubSpt社が開発しています。有料版に切り替えると、SFAやMAも利用できるのが特徴です。
HubSpotは、システムを使用できるユーザー数が無制限である点が大きな特徴です。そのほか、GmailやOutlookと連携できるため、現在使用中のツールをそのまま活用できます。
さらに、他の利用者とのチャットや、ビジネススキルについて学べる無料のコースの受講など、サポートが充実しているのも特徴です。
Zoho CRM
引用:Zoho CRM
Zoho CRMは、中小企業向けのCRM/SFAツールです。世界25万社で導入されている実績があり、利用人数が3名までなら日数の制限無く無料で利用できます。
見込み顧客の開拓から、フォロー、商談、見積もり、受注、顧客分析まで、顧客とのやりとりに関する業務を管理できます。これにより、商談案件数の増加、受注確率の向上を経て、売上アップにつなげます。
顧客情報の管理はもちろん、分析機能も利用できます。少人数で運用するなら、活用したいCRMツールです。
Ambassador Relations Tool
Ambassador Relations Toolは、株式会社コンファクトリーが提供するCRMです。マーケティングに必要なすべての機能を無料で利用できます。
Ambassador Relations Toolには、マーケティングに必要な機能が機能を全プランで標準搭載しています。メールマーケティング、分析機能、MA(マーケティング業務の自動化)、NPS計測(顧客の思いや満足度を表す指標)などを利用できます。
オープンソースの無料CRMツール3選
この項目では、オープンソースのCRMツールのうち、トライアルも含めて無料で使えるものを3つ、紹介します。
F-RevoCRM
引用:F-RevoCRM
F-RevoCRMは、マーケティング・インサイド営業・フィールド営業・サポートなど、顧客との接点をマネジメントする統合型CRMツールです。1ヶ月の無料トライアルの用意があります。トライアル期間中、すべての機能とサポートサービスを利用できます。
公式ホームページは日本語で表示されており、内容を理解しやすいのが特徴です。必要に応じて、有料サポートを受けることもできます。
SugarCRM
引用:SugarCRM
SugarCRMは、アメリカのSugarCRM社が開発したCRMツールです。3種類の有償版のほか無償のコミュニティ版があり、これまで世界中で1000万以上、ダウンロードされています。日本語の環境は有償版のみの用意で、無料のコミュニティ版は英語での利用です。
SugarCRMのコミュニティ版では、顧客からの問い合わせ管理、バグトラッカー(トラブルの共有と解決)、顧客と自社担当者の管理、商談管理、営業活動管理などが可能です。
有償版で利用できるものの、無償のコミュニティ版では利用できない機能があるため、英語が苦でなければ無償版で使い心地を確認してから有償版を導入するといいでしょう。
CiviCRM
引用:CiviCRM
CiviCRMは、CiviCRM社が提供するオープンソースのCRMです。ユーザーは、NPOや市民活動などの非営利団体のユーザーが多いです。会員管理のほか、イベント管理、寄付・グッズ販売などの資金調達といった機能が搭載されています。内容が用途とマッチしていれば、すぐに活用できるのが特徴です。ただし、コミュニティでの情報交換が活発ではないため、導入や運用に課題を感じることもがあるかもしれません。
CRMツールを選ぶときの4つのポイント
CRMツールを選ぶ時のポイントを、4つ挙げて紹介します。
- 導入方法
- 費用
- 機能
- サポート体制
導入方法
クラウド型やオープンソース型など、CRMツールを導入する方法は1つではありません。自社の現状を十分に把握し、導入方法や機能が最適なCRMツールを選びましょう。
費用
予算に応じたCRMツールを探しましょう。その際、初期費用のほか、ランニングコストも含めて検討すべきです。CRMツールは、金額が高ければよいというわけではありません。自社の規模・用途に合ったプランを見極めることが肝心です。
CRMツールによっては、利用できる機能や人数を必要に応じて変更できるCRMツールもあります。このような制度を活用すれば、無駄なコストを抑えられます。
機能
導入する目的に最適な機能が搭載されたCRMツールを見つけましょう。蓄積したい顧客の情報と、どのような分析が必要か、事前にしっかり決めておく必要があります。
また、CRMツールは、さまざまな既存ツールと連携することができます。自社で既に利用しているツールを把握し、各ツールと連携できるCRMツールかどうか、確認しましょう。
サポート体制
自社の担当者の知識や経験に不安がある場合、導入前に相談に乗ってもらえるか、導入前後のサポートが充実しているかを確認します。
また、トラブルが発生した際にできる限りスピーディに対応できるよう、問い合わせ方法やサポートのスピードもチェックしておきましょう。
無料版や無料トライアルを活用して自社に合うCRMツールを選ぼう
トライアルを含め、無料で使えるCRMは複数あります。この中から自社に合うものを選ぶには、自社に必要な機能と予算を見極めたうえで、CRMツールを選定しましょう。その際、セキュリティやサポート体制の確認は必須です。
pipedriveは、リードや案件の管理、顧客とのやりとりの追跡、タスクの自動化、分析とレポート機能など、営業活動を支援するための機能を数多く搭載しています。
商談の進み具合や商談結果を可視化でき、データを整理して管理しやすいため、失注の削減につながります。モバイルアプリもあり、タスクのチェックや案件確認、更新などの必要な操作をどこにいても行えます。また、メールやカレンダーなど、今使っているグループウェアと双方向同期できるため、入力の負担を軽減できます。
pipedriveには5つのプランがあります。どのプランも初期費用0円、年間払いの場合、月額1,800〜11,000円/1ユーザーで利用できます。
まずは14日間のフリートライアルを活用し、使いやすさを確認してから導入をご検討ください。