「CRMを導入しようと考えている」
「どんな流れで導入すればいいの?」
このように考えている企業担当者の人もいらっしゃるのではないでしょうか。
CRMを導入する場合、事前に流れを知っておくとスムーズです。
流れを知らずに導入してしまうと、失敗してしまうケースがあります。
今回の記事ではCRMを導入したいと考える企業担当者向けに、以下の情報を提供します。
- CRMの概要
- CRMを導入する前の注意点
- CRMの導入方法
「CRMを導入して成功につなげたい」と考えているのであれば、ぜひチェックしてみてください。
CRMとは?
CRMとはCustomer Relationship Managementの略称で、日本語で顧客関係管理という意味を指します。
CRMを支援するITツールはCRMツールと呼ばれており、業務効率化や売上の最大化につながるため、BtoB系のサービスを提供する企業を中心に導入されています。
ただしCRMツールを導入したからといって、必ずしも成果が出るわけではありません。
運用方法や方針の制定など細かい部分まで決めていかない限り、思ったような成果が出せなくなります。
CRMツールを導入する際はただ導入するだけではなく、その後どうしたいのか、何を達成したいのか考えたうえで検討しましょう。
1.MAとの違い
MAとはMarketing Automationの略称で、顧客一人ひとりに最適なアプローチを実現するツールです。
顧客管理に重きを置いたCRMとは、少し違ったものという風に考えておくとよいでしょう。
ただし、顧客に最適なアプローチを行うためには顧客管理を徹底する必要があります。
そのため、CRMとMAはセットで使われることが多いことも、同時に理解しておきましょう。
2.SFAとの違い
SFAはSales Force Automationの略称で、一言でいうと営業支援システムのことを指します。
営業の日報管理、商談管理機能、履歴確認など営業スタッフにとって役立つ機能が網羅されているのがポイントです。
顧客管理に重きを置くCRMと似通っている部分もありますが、別物と考えておきましょう。
ただし、CRMツールの中にはSFAの機能がセットになっているものもあります。
SFAの機能も使いたい場合は、SFAの機能が入っているCRMツールを選びましょう。
CRMを導入する前の注意点
CRMを導入する前の注意点として、以下の4つを覚えておきましょう。
- 使いやすさを見る
- 連携機能を確認する
- 自社の課題を解決できるか見る
- サポートについてチェックする
これらの確認が甘いと、導入に失敗する可能性があるので注意が必要です。
1.使いやすさを見る
どれだけ性能が高いツールでも、使いにくいと日々の運用でストレスを感じてしまいます。
よりストレスなく運用したいのであれば、使いやすさを事前に確認しておきましょう。
使いやすいツールであれば、社員全体の使用率向上につながりやすくなります。
使いやすさを確認したい場合は、無料トライアル期間を活用して実際に使用感を確かめてみましょう。
2.連携機能を確認する
自社ですでに多くのツールを導入している場合は、連携できるかどうかも確認しましょう。
自社で使っているツールと連携できないと、業務効率化につながりにくくなります。
また、日々の業務でストレスを感じやすくなるので、注意が必要です。
連携できるかどうかは資料請求や問い合わせを行って、事前確認をしておくとよいでしょう。
3.自社の課題を解決できるか見る
使いやすく、性能が高いCRMツールを導入したとしても、自社の課題を解決できないと意味がありません。
自社の課題を解決できないツールだと、導入しても運用効果を感じられなくなってしまいます。
例えば、自社に営業スタッフが多い場合は、SFAツールの機能が使えるCRMツールがおすすめです。
自社のどの部分に課題があるのか事前に特定したうえで、CRMツールの導入を検討しましょう。
4.サポートについてチェックする
CRMツールを選ぶ際は料金や性能を見るだけではなく、サポート機能も見ておくのがおすすめです。
サポートがあるCRMツールであれば、行き詰ったとしてもすぐに解決できます。
サポートできる時間帯、サポートの形態などはとくに重要なポイントです。
困った時にどのぐらい親身に対応してくれるのかは、必ず確認しておきましょう。
CRMを導入する6つのステップ
CRMを導入する際のステップは、以下の6つです。
- 自社の担当者を決める
- 導入する目的を洗い出す
- 課題・要望を洗い出す
- CRMツールを選定する
- 試用してみる
- 実際に導入する
どのように行うのか、1つずつ詳しく確認していきましょう。
1.自社の担当者を決める
CRMを導入し、現場で効果的に運用させていくためには専任の担当者が必要です。
専任の担当者がいることで、各部署との連携が取りやすくなりより円滑な運用が実現できます。
また、人的リソースに余裕がある場合は、専任のチームを編成するとより効果的な運用ができます。
円滑にCRMを運用するためにも、最初の段階で専任の担当者を決めておきましょう。
2.導入する目的を洗い出す
そもそもなぜCRMツールを運用する必要があるのか、目的を事前に洗い出しておきましょう。
目的が曖昧なままでいると、自社にとって合わないツールを選んでしまうリスクが高まります。
- 企業全体の業務効率が改善できていないのでより働きやすい環境にしたい
- 機会損失を生んでいるケースが見受けられるので抜け漏れを防ぎたい
このように具体的な目的を洗い出して、自社の目的に合ったツールを選ぶように心がけましょう。
3.課題・要望を洗い出す
目的を明確にした後は、現在の業務フロー、顧客情報で問題がある点を洗い出しましょう。
課題を一通り洗い出した後は、どの課題から優先的に解決したいのか決めるのが大切です。
例えば、業務効率化を最優先する際は、業務を自動化できるツールを導入するのがおすすめです。
より自社に合ったツールを導入しやすくなるので、この段階で細かく課題・要望を洗い出しましょう。
4.CRMツールを選定する
自社の目的や課題を洗い出した後は、解決できそうなツールを探しましょう。
CRMツールといっても、種類ごとに強みが異なるのでしっかりとした見極めが必要です。
料金や性能ばかり重視していると、自社に合わないツールを選んでしまうことがあります。
後悔しないためにも自社の目的や課題を解決できるツールを導入することを優先して、選定を進めましょう。
5.試用してみる
良いと思ったCRMツールがあったとしても、そのまま導入してはいけません。
実際に使ってみて合わないこともあるので、事前に試用するのがおすすめです。
無料トライアルを受け付けているCRMツールは多いので、まずは試しに使ってみましょう。
使ってみて問題がない場合は、本格的な導入に踏み出すのがおすすめです。
6.実際に導入する
CRMを試用し、問題がなければ導入に移行します。
まずは既存顧客から適用し、データを蓄積していきましょう。
実際に運用していく中でスタッフからフィードバックを受けることがあります。
フィードバックは運用改善のヒントになるので、吸収しつつ改善していくとよいでしょう。
CRMで成功するためのコツ
CRMで成功するためのコツとして、以下の3つが挙げられます。
- 既存顧客から適用する
- マニュアルを整備する
- PDCAサイクルを意識する
いずれも運用する上で重要なポイントなので、1つずつ確認していきましょう。
1.既存顧客から適用する
CRMツールを運用し始める際は、既存顧客から適応していきましょう。
信頼関係の構築やフローの承認に時間がかかる新規顧客よりも、より早くCRMツールの成果を試せます。
顧客情報を分析して顧客ニーズに合った施策を打ち、優良顧客を増やしていくのがおすすめです。
既存顧客の運用データがたまった後は、徐々に新規顧客にも適用して売上の最大化を狙いましょう。
2.マニュアルを整備する
CRMツールを導入した後は、Googleスプレッドシートなどリアルタイム管理できるツールでマニュアルを整備しましょう。
マニュアルの整備が足りていないと、社員がツールの運用方法を理解できない場合があります。
明確なルールを設けておくと、よりスムーズに運用できるようになり、定着率も高まります。
CRMツールを導入した際はなるべく早い段階でマニュアルを整備して、環境構築に努めましょう。
3.PDCAサイクルを意識する
CRMツールを導入したとしても、すぐに効果が出るわけではありません。
都度PDCAサイクルを回しながら、運用に取り組む必要があります。
運用に慣れていない段階であれば、サポートを受けながら運用するのもおすすめです。
ベンダーからチャットや電話でのサポートを受けて、より上手く運用できるようにしましょう。
CRMを導入して成功した事例
CRMを導入して成功した事例として、以下の3つを厳選しました。
- 株式会社メディアグローバルリンクス
- レバレジーズ株式会社
- 日本ピザハット・コーポレーション株式会社
それぞれの事例を参考にしたうえで、CRMを導入するか検討してみましょう。
1.株式会社メディアグローバルリンクス
世界トップレベルのIP伝送装置を開発する株式会社メディアグローバルリンクスでは、日々の商談・受注の効率を改善するためにCRMツールを導入します。
外出の多い営業に対してリアルタイムの共有を依頼したり、粗利率を簡単に計算したりする仕組みを作り、さらなる業務効率化につなげました。
各部門が抱え込んでいた情報を一元化することにも成功し、よりストレスなく働ける環境を実現しています。
連携率も向上したため、以前よりも密なコミュニケーションを取って働けるようになったそうです。
2.レバレジーズ株式会社
引用:レバレジーズ株式会社
人材関連事業を行うレバレジーズ株式会社では、CRMツールを導入してコミュニケーションミスの減少や管理や業務効率化につながっています。
CRMツール導入前は社内でのコミュニケーションミスが多く、社員がコア業務に集中できない環境にありました。
しかし、CRMツールを導入して顧客管理やスタッフの状況を可視化したことで、一気にコミュニケーションミスが改善したそうです。
顧客への提案にも集中できるようになり、さらに顧客満足度を高めることにも成功しています。
3.日本ピザハット・コーポレーション株式会社
国内で大きな人気を誇る日本ピザハット・コーポレーション株式会社では、CRMツールの導入で有効活用できていなかったメルマガやアプリで成果が出るようになりました。
ツール導入前は、会員登録者の半数がメルマガの配信を不許可、メルマガ開封率が10%未満という状況にありました。
そこからツール導入後に、メール1通の作成時間が3分の1に短縮、ABテストにかかっていた時間が大幅に短縮して成果が伸びていったのです。
メール経由の売上が前年比で115%アップしており、CRMツールによってさらなる売上の最大化を成し遂げています。
CRMを導入する際は課題を達成できるか優先的に確認しましょう!
CRMツールは国内に多く存在しますが、課題を解決できないツールを導入しても意味がありません。
自社の目的や課題を解決できるツールを選ばない限り、導入しても後悔することになります。
いきなりツールを選び始めるのではなく、自社のどこに問題があるのか見極めたうえでツールを選びましょう。
以下のリンクでは、CRMを活用した実践的な戦略について紹介しています。
無料でダウンロードできるので、これからCRM戦略を展開したい場合はぜひ参考にしてみてください。